ポスト冷戦の終焉と日本政治
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
中国の強大化、台湾問題…緊迫した国際秩序と日本の立場
ポスト冷戦の終焉と日本政治(4)中国の強大化による世界秩序の激変
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
世界の様相がここまで激変した要因の一つは、「中国の強大化」である。中国がここ数年で見せた国内の弾圧や対外膨張に、アメリカ、ヨーロッパを含め、多くの国が懸念を示している。冷戦終焉後、消滅したと思われていたイデオロギー対立は、いまだ世界情勢に大きな影響を及ぼしているのだと中西氏は述べる。そこで今、日本が取るべき立場とは何か。また、今後重視される日本の安全保障の柱とは。(全7話中4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分44秒
収録日:2023年5月24日
追加日:2023年7月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●明確となった「中国の強大化」


―― その多極化、しかも普遍的な価値観に基づく平和共存的な多極化ができるかどうかという点で非常に印象深かったのは、2016年当時に出した『「世界激変」の行方』の段階だと、ちょうどトランプ大統領が登場する時期で、日本にとってもまだ普遍的価値観について「そこにこだわる、あるいはそこに固守して衝突の前面に押し出されてしまう危険性があるのではなかろうか。それよりは、もう少し柳の枝のように柔軟に対応するべきだ」という位置づけだったと思います。それがこの本『偽りの夜明けを超えて』の時になると、いかに普遍的価値観を掲げるかが非常に重要な外交的要素になってくるというお話です。この2016年から今までの間に、世界の様相がそこまで一変した、とわれわれは強く認識したほうがいいということですね。

中西 はい。その通りですね。その一つは何といっても「中国の強大化」と、「中国の暴走」といってもいいでしょう。もはや「中国の台頭」という言葉では当てはまらないほどの強硬な対外膨張、あるいは国内における強圧政治。習近平政権の中国がとうとう、それまで長い間秘めていたいろいろな内外の強硬政策を実行に移し始めた。そして、さらに中国の国力が強大化したということが挙げられます。

 特に2020年が非常に重要な年だったと思います。香港は、厳密な意味で2020年までは、中国国内ではありませんでした。中国領土ではあったけれども、「一国二制度」ということで香港の自由は認められていました。香港の政治体制は、中国本土とは違う民主主義の体制であっても構わないということで、鄧小平以外にイギリスと合意して植民地の返還ということになり、当時までの状況につながったのです。

 ところが、2020年に習近平政権は「国家安全維持法」という香港に特殊な法律を北京でつくってしまった。香港の自由な政治活動を一切認めないということで、(政治活動をした場合は)厳罰に処す。非常に強い国内の弾圧政策を始める。これは、おそらくは価値観の問題です。日本人の多くは26年前、香港が中国に返還されるとき、一国二制度で香港はこれまで通り自由な体制を維持する。少なくとも50年間は香港の自由は保たれると思っていたのが、一挙に、しかも非常に強圧的な形で、一国二制度が否定されてしまったのです。


●中国は現状の国際秩序へ挑戦している


中西 つま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(3)「覚り」とは?「空」とは?
「覚り」「因果」「空」とはどういうものか…仏教の本質と変遷
橋爪大三郎
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦