ポスト冷戦の終焉と日本政治
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
熱しやすく冷めやすい日本の国民性、一番の元凶はメディア
ポスト冷戦の終焉と日本政治(7)日本の政治制度、今こそ改革すべし
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
日本の政治は改革する余地がたくさんあるのに、どんな小さな改革も諦めてしまう。日本の国民性とも関係があるが、そこは政策の議論よりも政局をより多く報じてきたメディアの責任が大きいと中西氏は言う。激変する世界に対応するため、いまこそ日本は制度改革から着手する必要がある。最終話では、日本政治の問題点と改善策について、イギリスの議会制度改革を参考にしながら解説する。(全7話中7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分54秒
収録日:2023年5月24日
追加日:2023年8月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●選挙至上主義は変えられるか――制度改革から着手する必要がある


―― そういう中で先ほどの議論に戻りますけれども、今の日本の政治の中で、では野党が本当にまとまってくれるのか。あるいは選挙至上主義で、選挙に勝てば何でもいいという、自民党的な「ばら撒きでもなんでもいいですよ」という政治が終わるのかというと、なかなか難しいと思います。そういった中で、国民としてはどうすればいいのかという点を教えていただけますでしょうか。

中西 そうですね。これはおっしゃる通りだと思います。選挙至上主義とは、こういうことです。「政治家になることが利権になる」。政治家の「選挙に落ちたら何の意味もないのだ」という言葉があります。「選挙に落ちればただの人」という。議員に当選することが利権(利権といえば語弊があるかもしれませんが)ですから、2世議員、3世議員、4世議員となるのです。

 それをまた横目で見ていますから、「あの人は息子だから、孫だから、有利なのだ」となってしまう。それがまた選挙シニシズム、選挙至上主義を生み出してしまう。こういうことだと思います。

 ですから政治改革は、制度の改革で最初は着手する必要があるのでしょう。一つ具体的に言えるのは、「〇親等以内の親族が出ていたら、同じ選挙区からは出られない」という、イギリス議会的な改革をすることです。

 イギリス議会もこの改革をして、かなり大きく政党のカルチャーが変わりました。その意味で、まずこの改革をどうやって行うか。ここまで2世議員、3世議員が多くなってしまったら、「それは反対だ」という、国連常任理事国の拒否権を廃止するのに常任理事国が全部反対するといったことと、同じ現象が起こります。ここはやはり、世論が非常に強く要求しないと、なかなか難しいのかもしれません。

 しかし、選挙区の十増十減が実現しているわけです。ですから、その意味で粘り強く、イギリス議会ができた改革がどうして日本ができないのだといって行うことが一つあります。

 それから選挙至上主義について、総理大臣が好きなときに衆議院を解散できるという、いわゆる「解散権」の問題があります。

 これは憲法解釈も絡みますが、イギリスの議会改革でいえば、イギリスも以前はそうだったのです。だから、非常に党利党略の解散がありました。それによって結局、国民の意思が伝わらない。せっかく選出...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
日本の財政の真実を検証する(5)財政政策で経済は成長するか
どうすれば経済成長できるのか…財政政策の可能性と限界とは?
宮本弘曉
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史