ポスト冷戦の終焉と日本政治
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選挙シニシズム・野党・政治への無関心…日本政治の問題点
ポスト冷戦の終焉と日本政治(5)日本政治の混迷と3つの問題点
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
世界情勢が大きく動いている非常事態の中で、日本の政治は劣化し続けているように感じられる。その問題点として、「選挙シニシズム」とも呼ばれる選挙至上主義をはじめ、野党の責任、そして国民の政治への無関心の3つを挙げることができるだろう。日本の政治を立て直し、経済、外交など日本のあらゆる課題を解決するために今、われわれに必要なことは何か。(全7話中5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分06秒
収録日:2023年5月24日
追加日:2023年7月25日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本政治に不足している「展望・戦略・勇気」


―― (前回)「価値観」というお話がありましたが、ここで翻りまして、日本の国内政治のことを考えたいと思います。例えば、今の日本の国会の状況などを見たときに、漫画的といいますか、ピエロ的といいますか、非常に些末な議題が議会を賑わせている状況があります。さまざまな部分で(政治が)劣化しているのではないかと指摘されて久しい。

 これまでの世界史を見たときに、中西先生も以前からご指摘になっていますが、例えばロシア革命の後、西側の政治体制を壊すために、まずはその議会の権威を壊すということで、いろいろな工作を行い、人々への議会への信用を落としていくということがありました。あるいはプーチン政権も、例えばヨーロッパの極右政党などに、資金援助を含めたいろいろな援助をして、政治のかく乱をしているのではないかということも指摘されています。

 このような世界の動きの中で、日本の政治の現状を考えたときに、気をつけねばならないこと、あるいはしなければならないことは、中西先生はどのようなことだと思われますか。

中西 そうですね、やはり21世紀の日本と世界を考えるときに、民主主義の政治をどうやって立て直すか。プーチンのロシア、あるいは習近平の中国、さらにはトランプ時代に深い分断の溝を経験したアメリカや、極右勢力が跋扈するようになったEUを中心としたヨーロッパ諸国。こういった、人類社会の大きな不適応、もっといえば世界的な脅威。これに直面している21世紀のわれわれが、どう対処すべきかをもう一度、深く考える必要がある。

 国際秩序や世界史の行方という大所高所、ラージヒストリー(長大な歴史)を考える俯瞰的な展望。日本が今、本当に必要としているものは、これなのです。俯瞰的な展望と、それに則ってしっかりとした戦略を立てること。そして理にかなった、合理主義に徹した選択をするための勇気(合理主義に徹するためには人間は勇気を持たなければならない)。日本に不足しているのは、この3つです。

 つまり、展望と戦略・方法論、そして勇気。この3つが足りない。これが日本政治を混迷に陥らせている、最大の要因のいくつかでしょう。


●日本政治の問題点~選挙至上主義・野党・国民の政治への無関心


中西 そこで考えてみると、日本の政治はやはり、これだけの人類史的な脅威、世界史的...

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