石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
情動に訴えるのではなく、思想性と理性と教養を回復しよう
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(9)ポピュリズムに陥らないために
片山杜秀(慶應義塾大学法学部教授/音楽評論家)
近衛文麿のポピュリズム政治が登場した背景には政党政治の弱体化があった。それは石原慎太郎が登場し人気を得た時代状況とも通じるものがある。そして現代だが、どの政党も思想性を失い、玉虫色の政策を掲げるばかりだと感じられてならない。この危機の時代にすべきことは、思想性を回復し、マスコミの在り方を見直し、ポピュリズム政治に陥らないようにすることではないか。(全9話中9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分55秒
収録日:2022年3月18日
追加日:2022年8月3日
≪全文≫

●政党政治が弱まるときにポピュリズムが登場する


―― 今回の講座のまさに裏表ですが、石原慎太郎さん的な論理でいけば、価値紊乱であり、身体性・肉体性であり、「けしからん」と思うことをどう掻き立てていくかということが大切になります。ですから、さまざまな国際情勢の中で、「あの人たちはかわいそうではないですか」と訴えたり、「あの人たち、けしからんではないですか。われわれが負けていいのか」と言ったりする。当然、燃え立つ人も多いですし、「その通りだ」と思うことも多いのでしょう。

 ただ実際に勝つことを考えると、勝つためには準備も必要なわけで、いきなりいきり立って、ボクシングのようにけんかをすればいいという話ではない。ならば、どう味方づくりをしていくか、どうやったら勝てるか、どうやったら相手に疑われないで済むのかなど、本来ならいろいろなことを考えなければいけない。その局面であるはずなのに、それをすっ飛ばして、「かわいそうだ」「やっつけろ」などとなってしまう危険性もあります。

 現在の政治でいうと、日本維新の会は石原慎太郎さんと1度結んだ政党です。例えば大阪と東京とを対置して、「東京とは違う大阪をつくる、大阪から日本を変える」と言うと、当然その地域では大変人気が出る部分もあるのだろうと思いますが、日本全体ではそうならないこともあるでしょう。

 こと民主主義である以上、大衆の人気、大衆動員を前提にすることは当たり前ですが、魅力もあるけれど危険がある石原慎太郎さんや近衛文麿さん的な政治スタイルの、どちらかという失敗のほうに陥らないためには、どうするといいのですか。

片山 ポピュリズムが赤裸々になるのは、近衛文麿さんが登場した時代を考えても、石原慎太郎さんが都知事として目立ったり、その後もいろいろなことがあったりしたことを考えても、どちらも「政党政治が大丈夫なのか」という局面です。結局、近衛文麿さんの時代は言うまでもありませんが、日本の戦後の政党政治も何かしら悪いことがたくさん言われました。

 けれども55年体制は冷戦構造とのセットだったので、世界が冷戦構造という中で、第3次世界大戦にビクビクしながらも安定していました。日本の中ではその縮図として、より資本主義的なものを擁護し、英米的な価値観を擁護する自民党的なものと、そうではない側で中国やソ連と結びついた(という単純な話...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
『古今和歌集』仮名序を読む(1)日本文化の原点となった「仮名序」
『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華
渡部泰明
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係
片山杜秀
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
與那覇潤
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(2)開国の是非と将軍継嗣問題
「尊王攘夷か佐幕か」…天皇絶対主義に結びつく厄介な問題
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
中国春秋戦国時代と始皇帝(8)合従軍と秦の激闘
合従軍、秦に迫る!…秦王・嬴政を滅ぼしかねなかった激戦の史実
鶴間和幸
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子