石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
学生闘争の街頭封鎖に知事の力で対峙せよ…国家革新の論理
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(2)都知事・石原慎太郎への時代的経緯
片山杜秀(慶應義塾大学法学部教授/音楽評論家)
石原慎太郎氏の著書『慎太郎の政治調書』を読むと、国会議員に初当選した当初から都知事を視野に入れていたことが窺える。その理由は、学生運動が盛んだった当時の時代状況も大きく関係している。国会議員ではなく都知事として地方自治体のリーダーになったほうが、庶民の生活のリアルに寄り添い、かつ国を動かすことができると考えたのだ。(全9話中2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分31秒
収録日:2022年3月18日
追加日:2022年6月15日
≪全文≫

●「外出禁止令がないと治安が守れない」


―― もう1つ、1968年から70年の段階で、石原慎太郎さんがすでに都知事を視野に入れていたことについてお聞きします。石原慎太郎さん自身は1975年に一度、都知事に立候補して、その時は落選しました。その後、1999年に再度立候補して、この時は当選して都知事になるという流れになっていきます。68年の段階で石原慎太郎さんが都知事を視野に入れていたことについて、片山先生が注目されるのはどういった点ですか。

片山 『慎太郎の政治調書』の話に戻りますが、1年生議員の段階での石原慎太郎さんが「すでにこのようなことを言っているのか」と感じたのは、あるコラムの1回で力説されていた「外出禁止令がないと日本の治安は保てないことがある」ということです。

―― 当時はいわゆる学生運動、学園闘争が、1968年、69年頃に盛り上がってきて、街中でのデモなどが盛んにあった時期ですね。

片山 「外出禁止令」というと、現在では多くの方は疫病のことを想像なさると思います。ですが当時は、今言っていただいたように学生闘争が大変盛んで、デモなどがあると普通の車は通れなかったり、シャッターを下ろして打ちこわしの恐怖に耐えたり、実際にお店が壊されたり車が燃やされたりといったことが起きていました。また、街頭占拠があった。バリケードで路上を占拠するなどして解放区をつくるという発想です。そうやって都市が騒乱状況に置かれることが年に何日かあったし、大学の近くであれば占拠が長引くなど、いろいろなことがありました。

 私も幼稚園の頃などに「今日は新宿に行ってはダメだよ。デモがあるから」「今日は家族で食事に行くのに新宿は行けないから」などと言われ、「えっ、そうなの?」といった日がありました。確かにテレビのニュースを見ると、百貨店も臨時休業だといって昼間からシャッターを下ろして学生の乱入に備えているといった具合です。最近でもパリなどさまざまな場所で似たような風景はあり、東京では長らくそこまで行くものはありませんが、そういったことが日常茶飯事とはいわないまでも、年に何度もありました。

 そういった中で、例えば三島由紀夫さんはついに、それによって革命的な騒乱、体制転覆があり得るのではないかと考えた。それに対して自衛隊が治安出動することによって、左翼的な価値観からいえば一種の「反革命」を起こして、自...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(1)政治家・石原慎太郎の源流と核の問題
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿…対比で見えてくる現代的課題
片山杜秀
『源氏物語』ともののあはれ(1)雅な『源氏物語』の再発見
『源氏物語』の謎…なぜ藤壺とのスキャンダルが話のコアに?
板東洋介
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
真山仁の小説論(1)想像力と技術の不足
読み手の琴線に触れる技術が失われてきている
真山仁

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(4)官僚集団の問題と井伊直弼のジレンマ
井伊直弼のジレンマ…政治家の実力と同居した致命的な矛盾
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥