民主主義の本質
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を
民主主義の本質(4)日本の民主主義をいかに強化するか
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
民主主義の発展において、キリスト教のような一神教的な宗教の営みがその礎にあった。では、そうした宗教的背景をもたない日本で、民主主義を育てるにはどうしたらいいのか。人数が多ければ正しいというのは「ポピュリズム」の考え方で、民主主義ではない。そこで大事になるのは議論である。今回は日本の民主主義について、近代化の歴史と権力構造に触れながら、ジャーナリズム教育の重要性や政党政治のあり方まで、幅広く議論する。(全5話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分09秒
収録日:2024年2月5日
追加日:2024年4月16日
≪全文≫

●近代化以前の日本の曖昧な権力構造


―― ちょうど、今、いわゆる一神教の国々の民主主義に対する諸相といいますか、いろいろな姿を見てまいりました。ここで、先ほどの話からすると、日本の立場をどう考えるかというのは、また大変面白い課題かなと思っております。

 先ほど、先生がおっしゃったように、日本はもともとが「民主的な風土」といいますか、あまり権力者が権力を表立って振るわないようなあり方の中で、ずっとやってきた国です。いわゆる風土的なものといいますか、気分的なもの、あるいは精神的なものとして民主的な制度というのは非常に馴染みやすいと思います。

 今、ご説明いただいたような、いわゆるキリスト教的な背景については、まったく理解していないというか、もともと宗教が違うので理解するのは難しいところではあると思うのですけれど、そういう日本はこの「民主主義」について、どのように考えていけばよろしいのでしょうか。

橋爪 誰かが権力を持つことに対する嫌悪感がかなり広く分け持たれているわけですけれど、逆にいうと、誰かが権力を持たなければ社会はもちませんから、権力を持った人がどこともいえず出てきてしまうということがあります。

 まず律令制を見てみると、中国的な権力のシステムで「中心になるのは天皇でしょう」みたいになるわけですけれど、天皇は例によって権力を持ちません。そうすると、藤原氏とか、いろいろな貴族が権力を持つわけです。でも、これが人々の支持を集めているかというと、そうでもないのです。

 そうすると、院政などは別の権力で、院政のさらに外側に武士の幕府などの別の権力が出てきて、実力を持って、実際に日本を統治したりするのです。それがどうやって正統化されるかというと、そこがはっきりしない。ということをずっとやっていて、日本が近代化しなければいけないという局面になっていきました。


●尊王思想によって近代化した日本とその後の民主主義


橋爪 そのときに、日本がきわめて速やかに近代化ができた1つの理由は「尊王思想」というものです。

 尊王思想は天皇が権威・権力の中心で、人々が天皇に結びつくことによって、自分の任務を果たして、民族の独立を果たしましょうということでナショナリズムの運動になった点で、大変良かったのですけれど、尊王思想は少しだけジハードに似ています。天皇に特に頼まれて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(1)米国第一主義の台頭
1920年のアメリカファースト…ハーディング大統領の勝利
東秀敏
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード
ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化
本村凌二
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀