平安時代の歴史~「貴族道」と現代
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
律令国家から王朝国家へ…「請負制」と公家、武家、寺社家
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(2)請負システムの浸透と王朝国家の確立
関幸彦(歴史学者/元日本大学文理学部史学科教授)
10世紀以降、平安時代の日本において、天皇は権威ある存在として権力から離れていくと、政治権力を代行する存在が登場してくる。それが摂関家、武士、宗教権門の3つである。これは中国の律令国家モデルからの脱却と日本独自の「王朝国家」の確立を意味するもので、公家、武家、寺社家がそれぞれの専門に応じた権力の請負システムを実現していくことになる。今回の講義は律令国家から王朝国家への過程を解説する。(全9話中第2話)
時間:7分45秒
収録日:2023年10月20日
追加日:2024年1月12日
≪全文≫

●10世紀以降、天皇は権力を持たず、権威という存在へ


 それでは、前回述べたように、特に平安時代の、10世紀以降の内部の構造、権力の構造の変化というものを、どのように理解すればいいかということです。理解のしやすさからいえば、前回にいったような、お手本のある時代とお手本がなかった時代という言い方で整理すると、10世紀以前の律令の国家です。おそらく、これを見られている方の中には歴史好きな方や、高校時代に受験でやったという方など、律令国家というものをよく勉強したいう方もおられるでしょう。

 律令というのは、まさしく中国の隋唐帝国をお手本にしたもので、律なり令なりを原則とした国家運営のシステムであり、これを総体として律令国家と呼ぶわけです。

 その律令国家の中にあって、天皇が権威と権力を一身一体の中で、集中的に中央集権の権力を実行していくのです。ある意味で、中国の皇帝主義というものを日本にそのまま平行移動していったということになるわけです。

 ところが、徐々に天皇の権威と権力が一体化してきたものが、10世紀以降になってくると権威と権力の分離、分裂というものがなされていきます。つまり10世紀以降の天皇というのは、権力は持たずに、むしろ権威という存在で不動の立ち位置を獲得していくのです。その意味では、政治権力は別立ての形で、その政治権力を代行する存在が登場していきます。


●「王朝国家」で政治権力を代行する公家と武家と寺社家


 平安期における政(まつりごと)の代行というシステムが、実際にどのような形でなされたかというと、天皇に代わって政の代行をなすわけですから、天皇は権威体として鎮座し、そして天皇の代わりの権力の部分だけを政の立場で代行していくのです。このような家柄が、「摂関家」という立場の家柄なのです。

 ただ、国家というのは公事とか、あるいは祭事とか、総体としての政治、行政の政だけで終わるわけではなく、例えば様々な騒乱とか、あるいは内乱とか、紛争などを、武力的な形で解決を余儀なくされることもありました。

 その意味では、戦う人、つまり武力を請け負うという形で国家に組み込まれる立場の勢力もありました。これが後になってから、戦う人々の集団という意味で、「武士」「武家」と呼ばれるようになります。

 しかし、武士、武家という存在だけで国政が運営されるかというと決し...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(6)ビジネスアナリシスの仕事
スコープ・クリープはリスクが大きい…どうすればいい?
大塚有希子
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治