平安時代の歴史~「貴族道」と現代
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
宇多、村上、醍醐…大転換期を象徴する天皇名の変化
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(3)10世紀の外的環境と天皇名の変化
関幸彦(歴史学者/元日本大学文理学部史学科教授)
かつて日本が遭遇した最大の対外的な危機は平安時代、「王朝の時代」といわれる10世紀に訪れる。四方を海に囲まれた日本は諸外国と比べ、歴史的に外部からの危機は非常に少なかったが、その頃の大陸の政治変動に影響され、外部の脅威に対応する形で律令国家から王朝国家へと移行する。特に中国の唐から宋への転換は日本の外交政策にも大きな影響を及ぼし、天皇の役割と権威にも変化をもたらした。今回は当時の外的な環境変化とそれに伴って変化した天皇名について学んでいく。(全9話中第3話)
時間:10分19秒
収録日:2023年10月20日
追加日:2024年1月19日
≪全文≫

●王朝の時代、唐から宋へという転換が与えた周辺地域への影響


 前回は内部のお話をしました。今回は平安時代を取り巻くわが国の外的状況、外的な環境について話していきます。日本はいうまでもなく海に囲まれています。ということは、海が持つインパクト、外からのインパクトであり、このインパクトが内側のところとうまく連動しながら、次なるさまざまな変化をもたらす要素があったということです。

 ですから、海に囲まれているということは、海はいろいろな意味での防波堤になりますが、一方では、海を通じてしかさまざまな要素が入ってこないという二面性を持っているわけです。

 そのことを頭の中に置きながら考えていくと、平安時代というのは、平安という言葉に象徴されるように、あたかも平和の世の連続を思いがちですが、実は疫病その他さまざまな部分の問題を抱えていました。

 とりわけ、外的な勢力の侵攻もありました。外的な勢力といえば、教科書的にはモンゴルの襲来、元寇云々がすぐにわれわれの頭をかすめますが、元寇以前に日本国が遭遇した最大の対外的な危機は、実は平安時代の、まさしく王朝の時代に訪れるわけです。

 そのことを考えるとき、前に言ったように10世紀が大きな転換期でしたというのは、内部の問題のみならず、外側の問題の転換期という意味でもそういうことがいえるわけです。

 では、目を大陸のほうに転じると、地図を参照していただくと分かる通り、ちょうど大唐帝国、つまり唐の王朝が解体します。10世紀初頭の907年に唐は解体し、その後約半世紀ほどの内乱を経て、宋という王朝に代わっていきます。つまり10世紀というのは大陸における大きな変動がもたらされた時期で、中国に限定すれば唐から宋へという転換がなされたのです。実は唐という王朝が解体し、そして新たに宋という王朝に代わるというこの場面は、唐の時代の王朝が周辺の諸地域にさまざまな影響を与えたということになります。


●激変する周辺国に対応して王朝国家に転換する日本


 日本もその例外ではありません。ただ、日本国は海という防波堤があって、唐の解体の部分が直接的に連動したわけではないのですが、間接的に連動しました。

 直接的な連動というのは、陸続きのエリアです。具体的にいうと朝鮮...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之

人気の講義ランキングTOP10
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二
「ものがたり」のあるコンプライアンス(3)会社法
プライドと切り離されたコンプライアンスは必ず失敗する
國廣正