弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
DNA分析によって見えた渡来系弥生人のルーツ
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(7)渡来系弥生人のルーツ
藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館 研究部 教授/総合研究大学院大学 日本歴史研究コース 名誉教授)
弥生時代人のDNA分析を進めると、さまざまな謎が浮かび上がってくる。朝鮮半島由来の墓から出てくる縄文人の骨や、不自然に混血の見られない縄文人のDNAなど、渡来系弥生人のルーツを追うことで見えてきたその謎について解説する。(全11話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分34秒
収録日:2024年7月29日
追加日:2025年4月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●朝鮮半島由来の墓から出てきた縄文人の謎


―― 次が佐賀県の大友遺跡です。

藤尾 これは、先ほどお見せした、もろ縄文のDNAを持つ弥生時代人になります。これがだいたい紀元前800年頃です。弥生時代が始まった頃の熟年女性なのですけれど、抜歯もありますから、縄文由来の風習をちゃんと持っていますね。

 それから、オオツタノハの貝輪というものがありますけれど、これは先ほど出てきたイモガイとか、ゴホウラのような巻き貝ではなくて、2枚貝のオオツタノハという、縄文時代からある貝輪を持っているという人たちなのです。

 ですから、抜歯もあるし、縄文由来の装飾品も持っています。しかも骨を見ると完全な縄文人なのです。なので、弥生時代の開始期には縄文人がいますよねという話は、それはそれで分かるのです。

 もう1つ面白いのは、この人が葬られていたお墓です。これが支石墓というお墓なのですけれど、これはなんと当時の朝鮮半島で流行っていたお墓なのです。

―― 日本でもない、朝鮮半島のですか。

藤尾 日本ではないのです。完全に朝鮮半島由来のお墓なのです。

―― なるほど。

藤尾 もろ縄文の人が、これに入っていたのですね。なぜだ、われわれはふつう、朝鮮半島系のお墓で見つかると、そこからは渡来人が出てくると思っていたのです。ところが、出てきたのはもろ縄文人だったということです。しかも核ゲノムを測っても100パーセント縄文人だということは、当時朝鮮半島で流行っていたお墓に私も入る(ということになった)。理由は分かりませんけれど、入ったのでしょう。だから、お墓の種類だけでは(分かりません)。それは当然そうですよね。キリスト教のお墓だって日本人は入りますから。

―― そうですね。

藤尾 外国人墓地だって外国人だけではないから、それは当たり前なのですけれど、弥生時代もそうだったということになります。


●DNA分析によって見えた渡来系弥生人の混血


―― 次は下本山の遺跡です。

藤尾 ここは佐世保にある遺跡なのですけれど、これはもともと西北九州弥生人といわれていた人です。もろ縄文の人です。ところが、核ゲノムを測ったら渡来系の人たちと混血していたのです。ただし縄文人と現代日本人の中間ぐらいに来るのです。

――...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
ソフトな歴史学のすすめ(1)グローバル・ヒストリーと民俗学
グローバル・ヒストリーの中で日本の歴史を俯瞰する意味
上野誠
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(13)心の「柔軟性」を高めるヒント
【10minでわかる】心の「柔軟性」を高めるヒント
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(3)救った人数とゴールデンブックの謎
樋口季一郎のユダヤ難民救出数は?ゴールデンブックの謎は?
門田隆将
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(1)因果関係とは何なのか
原因と結果の迷宮―因果関係と哲学
一ノ瀬正樹