弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化
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弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(11)弥生人の「死後の世界」
藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館 研究部 教授/総合研究大学院大学 日本歴史研究コース 名誉教授)
弥生人にとっての死や祖先への精神は、縄文人とは異なっていた。どのような違いがあるのか。今回は弥生人の「死後の世界」を掘り下げる最終回として、土器に残る神話の痕跡や墓の構造の違いから、弥生人の死生観や祖先に対する観念の実態に迫る。(全11話中第11話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分35秒
収録日:2024年7月29日
追加日:2025年5月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●変わらない文化基盤と変容する土偶


―― 次が「弥生人のくらし―死後の世界」ということですね。

藤尾 そうですね。

 右側は土偶です。この土偶は、先ほどお見せした水田に伴う、弘前市の砂沢遺跡の水田に伴う土偶なのです。土偶が水田に伴うのは青森だけです。

―― そこは不思議なところと、先ほども先生はおっしゃいました。

藤尾 しかも、この土偶は青森で紀元前の1世紀まで続くのです。

―― すいぶん後までということですね。

藤尾 続くのですけれど、男の土偶が出てくる。喉仏のあるものが出てくるのです。なので、変容はしている。土偶という意味では一緒なのだけれど、男になったりと変容はしているのです。

―― 文化の基盤が変わらないということですね。

藤尾 そうですね。(文化が)つながっていることを(確認するために)DNAを測りたいのですけれど…。

 それから左側は男女です。土偶は女性だけでしょう。けれど、壺形土器の比率が20パーセントぐらいになってくると両方出てくるのです。男と女、雄しべと雌しべ、稲作と同じ考え方が出てくるのではないか。これ自体は、「土偶型」の容器といいまして、今でいう蔵骨器です。骨を再葬してどこかに葬っていました。骨だけ取ってきて、ここで入れ直すということです。まだ水田稲作が始まる前の文化です。東日本、関東とか、中部地方ではこういうことが続くということです。

 これも文化の違いです。

―― そうですね。


●地域ごとに異なる墓


藤尾 これは各地のお墓です。このうち、いちばん右上のものだけが縄文由来の再葬墓です。同じ土器棺なのですけれど、九州の甕棺とは違って、これは顔が付いている土器棺なのです。顔面付き土器棺です。これも再葬墓の可能性があります。

―― これは地区でいうと、例えば西のほうでは古くからも出てこないということになるのですか。

藤尾 ありません。

―― 北だけということですね。

藤尾 はい。関東の北部から東北南部ぐらいにかけて出てくるのです。

 あとは、方形周溝墓も、それから支石墓も、渡来人の墓といわれているものです。朝鮮半島系のものです。それで、甕棺墓だけは朝鮮半島系とはいえないのですけれど、...

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