弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化
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現代日本人の中に縄文遺伝子!? 弥生人の核ゲノムで判明
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(8)弥生人の核ゲノム
藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館 研究部 教授/総合研究大学院大学 日本歴史研究コース 名誉教授)
渡来系弥生人のルーツを分析していくと、朝鮮半島ですでに混血していた人が渡ってきた可能性が高い。ただ、不思議なことにその痕跡が九州や近畿を飛ばして名古屋近郊の朝日遺跡で検出されている。その他にも、日本列島に渡ってきた渡来人は階級が下の人間だった可能性など、弥生人の核ゲノムについて、DNA分析を進めることで浮かび上がってきた、さまざまな興味深い仮説を解説する。(全11話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分50秒
収録日:2024年7月29日
追加日:2025年5月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●明らかにされつつある渡来系弥生人のルーツと朝日遺跡の不思議


藤尾 そこで二重構造説の見直しというものが出てくるのですが、左側の図のいちばん左側が従来の説で、100パーセント大陸でした。それと100パーセント縄文(の人)が結婚して、そして子どもができるのが渡来系弥生人だというのがもともとの説なのですが、実はもう3000年以上も前から、朝鮮半島ではそういう人たちがいたのだ、日本側のどういう人たちと交雑、(つまり)結婚することによってどういう人たちが生まれるのかというのもいろいろなパターンがあるのだ、というのが最近明らかになってきたということです。

―― ですから、先ほどの朝日遺跡の方などは、もしかすると全て朝鮮から渡ってきた人かもしれないということになるのですか。

藤尾 その可能性ももちろんDNA的にはあるのですが、ただ考古学的には考えづらいのです。

―― それはどうしてですか。

藤尾 直系の人が名古屋まで、近畿や九州を通らずに行くということがあり得ないのです。

―― なるほど。

藤尾 そうすると、どういうことかというと、やっぱり九州北部に入ってきた人たちがだんだんと、300年をかけて名古屋地域にたどり着いたとしか、おそらく考えられないのです。

 そうすると、どういうことになるかというと、当然、300年の差がありますから、最初に九州に入ってきた人がずっと300年生きていて移動したわけではないでしょう。(つまり)当然その子孫が…。

―― 移動してきたと。

藤尾 そうすると、その子孫ができていく過程で、それぞれの地域で、例えば広島だとか、岡山だとか、近畿で地元にいた縄文系の人たちとまったく交わっていないということであるわけです。その直系の人たちだけが、ずっと直系の子孫を作っていったのが朝日遺跡の人ということになるので、可能性としては「本当なの?」というような話になってきてしまうわけです。

―― そうですね。ちょっとそれは不思議な感じですね。

藤尾 右側の図は、これまでの話を図にしたものです。

 長江下流域の人も、もしかしたら北上して、朝鮮半島で混血していて、そういう人たちが日本列島に入ってきたのではないかという話だとか、西遼河系はアムール系と黄河系から出来上がった人たちで、その人はもともとアワ・キビ栽培をやっている人たちな...

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