日本文化を学び直す
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「惟神の道」とは日本人にとって何を意味するのか
日本文化を学び直す(11)「惟神の道」と天皇の存在
田口佳史(東洋思想研究家)
日本は多様な外来文化も採り入れながら、霊力、神、ムスビといったものを創造していくという伝統を縄文時代から維持してきた。それを可能にしてきたのが天皇の存在である。「惟神の道」という言葉があるが、神さながらの生き方を体現する天皇が、日本人の鋭い感性、深い精神性、ダイナミックでエネルギッシュな創造性を象徴する存在としてわれわれにはある。田口氏はそう語り、今回のシリーズ講義を締めくくった。(全11話中第11話)
時間:9分00秒
収録日:2020年2月5日
追加日:2020年11月25日
≪全文≫

●日本の神信仰が1万年近く絶えないのはなぜか


 結局、今回の講義シリーズで申し上げた古代から始まる霊力とか、アニミズムとか、さらにいえば、神信仰、つまり神の発見とか、また産霊神(むすびのかみ)というものを創造していくという、そういう伝統が、縄文まで入れれば1万年近くずっと日本には流れているわけですね。

 それがどうして絶えないのか。あるいはそれがどうして変わらないのか。仏教だって変わっている。あるいは仏教を国是としている国もある。また儒教を国是としている国もある。そうした、いってみれば強烈な思想哲学が入ってきながら、神道が神の発見というところからずっとわれわれに馴染み深いものとして、日本のバックグラウンドにあるのはなぜなのか。もし、そこに何か象徴的なものが非常に色濃くなければ、変容してしまいます。だから、そうならないのはなぜなのかと考えて、そこにバッと登場するのが天皇なのです。


●日本の特性を体現する存在としての天皇


 では天皇とはどういう存在なのか。また神道とはそもそも何を説いているものなのか。分かりやすくいえば、「神さながらに暮らしてくれ」ということです。「神さながらの生き方」を日本人の最高の到達点に置いて、これを「惟神の道(かんながらのみち)」と言っているわけです。「神さながらの道」ということです。

 「ちょっと待ってくれよ」と。「人間は人間だから、神になってしまったら意味がないのではないか」と。では、人間として神のように暮らすとはどのように暮らすことなのか。どの時代でも、多くの日本人の疑問はそこに集まってくると思うのですね。そんなにいうなら、「神さながらに生きている人間を出して、見せてよ」と思うのです。

 そこで、「はい、この人です」と言って登場しているのが天皇です。ですから、そういう意味でわれわれの文化というか、日本というものを決定づける最大の要点として、天皇という存在があるのです。今回の講義シリーズでずっと申し上げてきた縄文から続くダイナミックでエネルギッシュな創造活動。それから、鋭い感性と深い精神性というわれわれの一つの特性。つまり、それらを全部見せてくる存在こそが、具体的にいうと天皇ということで、われわれと、そして時代とともに生きている、そういう存在がわれわれにはあるということです。

 そんな国は他にありますか。そこが驚異的だ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(5)ロシア正教が果たした役割
「ロシア正教こそが世界の中心」という使命感…ロシア正教の大きな役割と「儀礼改革派」「古儀式派」
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
生成AI「Round 2」への向き合い方(2)ハードで動くCopilot
Microsoft Copilotの革新性…想像がつかない世界に
渡辺宣彦
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎