日本文化を学び直す
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
神道とは何か――本居宣長が『古事記伝』で語っていること
日本文化を学び直す(9)神道と稲作農耕
田口佳史(東洋思想研究家)
神社も能と同じく霊力を人々に与える機能を持つと田口佳史氏は言う。神とは自然と一体となった見えない存在であり、そうした存在を感じる精神性が日本では重視されてきた。日本は稲作農耕社会になっても、そうした神との縁を深めてきた。「まつり」を行い、穀霊、地霊、祖霊という3つの霊を敬い続けてきたのだ。(全11話中第9話)
時間:14分13秒
収録日:2020年2月5日
追加日:2020年11月11日
≪全文≫

●神道の基本-神は見るものではなく感じるもの


 霊力(アニマ)は(世阿弥による能といった)芸能など、そういう方向に発揮されていきましたが、もう一つ、正統的にはどこへ行ったのかというと、これは皆さんご存じの「神道」というものに行きました。ですから、なんとなく、要するに神社に行ってお参りして帰ってくるとすっきりするとか、何か元気になるとかいうことは、霊力(アニマ)を降り注ぐドラマと同じような機能が神社にはあるということです。

 シリーズ内で「見えないものを見る」といった話をしました。神は見えますかといわれるのですが、見えないから意味があるのです。見えたらもうそれまでです。見えないものを追っていくということは、一生かかっても実体はつかめない。しかし、感ずることはできる。要するに非常に鋭い感性と深い精神性です。シリーズ内で言いましたが、「これだけは忘れてくれるな」という日本人の特性は、鋭い感性と深い精神性にあるのです。そのシンボルが神の存在であり、またそれが神道のあり方、基本でもあるのです。


●神道は実体をつかみにくい信仰


 では神道とはいったい何なのでしょうか。外国の人はよく「宗教ですか」と聞くのですが、宗教とは言い難いですね。どうしてかというと、宗教というのは「教祖がいること」「教典があること」「他宗教を排撃すること」、この3つが存在の条件なんですが、神道には3つともないんです。教祖といったって、もうたくさんの神が祀られているから、誰が教祖なのかという問いが通じない。さらに、教典はあるのかというと、祝詞というのは降霊させる言葉ですから、教典ではない。それから、他宗教を排撃するのかというと、これからお話しするように他宗教も全部ウェルカムで、どんどん入ってきてくれということです。

 「宗教とは言い難い」とは何なのかというと、とても実体をつかみにくい信仰であることです。「これが神です」と示さないで、神を感じてくれというわけですから。人によっては感じないとか、鈍感な人間では感じられないとかいうわけです。

 したがって、日本人は「神とは何なんですか」と聞かれると、「言えないんだよ、そういうものは」となる。でも、これだけ神社があるということは何か感じているから、何かをつかんでいるから行くんでしょう。だから、それは「有難いもの」だと。でも、周りは「有難いものとい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
現代の小児科学と最高の子育て(1)現代の小児科学の役割
困難の克服と幸せな人生の獲得、それが小児科学の目的
高橋孝雄
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎