日本文化を学び直す
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「準備には達人性がある」とはどういうことか
日本文化を学び直す(4)明日が予測できるかどうか
田口佳史(東洋思想研究家)
「名人、達人は見えない明日を予測して、十二分の準備をする」と田口佳史氏は言う。縄文の時代の日本人は、この名人、達人のように自然と融合し、神と一体化して明日を感じ取っていた。その一体化のために重要なのが祭りごと、祭祀であり、夕焼けなどの自然現象を読み取る天文観測だった。(全11話中第4話)
時間:10分39秒
収録日:2020年2月5日
追加日:2020年10月7日
≪全文≫

●名人、達人とは明日を見通すことができる人


 (前回、アニマ、霊力という人知を超えた大きな力との一体化が大事という話をしましたが、そうしたものに関連して)、だんだんと祭祀、お祭りごとを定期的に開いてくると、そこに祭祀場というものが必要となります。これは世界中というよりも、日本とはちょうど東西をなす位置づけではありますが、アイルランドなどでもそうで、ストーンサークルというものがあるわけです。

 これまであまり話したことはありませんが、どこかと言ってしまうとまずいから言いませんが、ある神社に「ここから人間は入っちゃいかん」という霊的な場所がありまして。17、8歳の時、どうしてもそこに入りたいと思った。そこに入っちゃいかんといわれるから、「何があるんだろう」と余計に気になった。そこで、安旅館に帰ってきて食事をしていても、もう、何だろうかという一心で、今日は入ってみようと思った。そこについて、「入るとどうなるんですか」と尋ねると、「命は保証できないんだよ」と言われましたけど、「まあ、いいや」と思って、それで、ある山の上に日本で最古といわれる、非常に重要な神社の本宮があり、そこへ行ってみました。そしたらストーンサークルがあるんです。その時、そういう意味では同じなんだなと思いました。

 このストーンサークルというのは天文観測という意味合いもあります。神の力というのは見通す力ということで、神通力というのはそこから来るわけですけど、そういうものがあって、要するに明日が見える、明日が予測できるかどうかということがすごく重要なのです。そういう意味で、神のお使いという人たちはたくさんいますが、そういう人たちは将来が語れるということが非常に重要で、そこには天文観測というものがあるのです。

 私は若い頃、ある会社のかなり立派な文化誌があって、月刊誌のような感じで出していたのですが、そこに文章を寄稿しておりました。その時に私は、「日本の名人を探る」ということで、日本で名人といわれる人たちを探っていくという内容の企画を10年間ほどやっておりました。だから、ものすごい数の名人、達人に会った記憶がありますが、「名人、達人というのは何ができる人か」と尋ねると、ほとんどの人が、要するに明日とか明後日を見通すことができる人だというんです。


●天竜川の投網名人に学ぶ名人性~準備をちゃんとした...


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