日本文化を学び直す
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
世阿弥に自分の夢を全部託した父・観阿弥の戦略眼
日本文化を学び直す(7)観阿弥と世阿弥
田口佳史(東洋思想研究家)
縄文の持つエネルギー、その霊力が日本文化として噴出するときがあると田口佳史氏は言う。そこで今回取り上げるのは、日本文化の集大成者である世阿弥だ。世阿弥がその力を将軍のそばに上がって発揮したのは、実は父・観阿弥の戦略によるものだった。観阿弥は高度な芸術としての能を目指し、その全てを世阿弥に託したのである。(全11話中第7話)
時間:12分45秒
収録日:2020年2月5日
追加日:2020年10月28日
≪全文≫

●世阿弥とアニマの関係


 まず私は今日申し上げておきたいのは一つ、縄文のエネルギーというものを忘れないでもらいたいということです。その後、縄文のエネルギーがそのように表れるのかというと、時代的変遷でお話しするようなものではないので時代が下って申し訳ないけど、今がちょうどいいときだから、ここでそれについてお話をしておいたほうがいい。要するに、日本文化の集大成者である世阿弥という人は何をした人かということをここでお話をしておく必要があると思うんです。

 世阿弥と、これまでにお話しした霊力、アニマとの関係については誰も言っていないんだけれども、これが非常に重要で、世阿弥だけではなく、その次を継いだ千利休もそうだし、それから松尾芭蕉もそうです。それから私は、芭蕉の次の後継者は小堀遠州だと思っていますが、その遠州もそうです。みんなに共通していえることが、アニマという霊力、つまり日本人の奥底に眠る霊力と関係があるということです。時々、バッと噴射する、そういうところが基本で、近代でいえば戦後の復興とか、そういうところにすさまじい力がダッと出てくるような、そういうものが重要だということです。

 まず、それにはそういうものが噴火というか、噴射しやすいような状況、その環境をつくらなきゃダメなんだと。ところが、今の社会は理屈ばっかり言っているから、古代人のように純粋無垢で天真爛漫にバーッと喜ぶ、そういうことにはならないし、喜びの分析などをして、「それは喜ぶべきことなんですね」なんて言っている。でも、そんなことじゃない。それは日本人らしくないと言っていいでしょう。


●世阿弥の父・観阿弥


 そこで、ここから世阿弥という人を借りて、アニマがどのように噴射したのかということを話します。

 要らないかもしれませんが、世阿弥についての前提として、少し言っておいたほうがいいと思うのは、世阿弥を語るには必ずお父さんの観阿弥を語らざるを得ないということです。

 観阿弥は、一説には出自は伊賀の服部氏だと。服部半蔵の先祖の服部氏だといわれていた。で、母は楠木正成の姉妹、つまり南朝方ということです。ですから、そういう意味で、とてもややこしい家柄の人でした。

(能のルーツの一つは)田楽能というものから始まった。田楽能とはどういうものか。田んぼとか畑とか、農作業は肉体的に非常に厳しいです...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介

人気の講義ランキングTOP10
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ