弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
何でもできる縄文人…スタンプ痕から分かる縄文土器の秘密
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(4)縄文時代の穀物と縄文人の栽培力
藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館 研究部 教授/総合研究大学院大学 日本歴史研究コース 名誉教授)
「縄文農耕説」と呼ばれる縄文時代の農耕の研究には課題があった。具体的な作物が特定できないからだが、それを克服するための方法として生まれたのが「レプリカ法」。ではそれによっていったいどんなことが分かってきたのか。今回は野生種が少ないという日本の穀物事情から縄文人の栽培能力に迫り、弥生人との違いを解説する。(全11話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分55秒
収録日:2024年7月29日
追加日:2025年4月9日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本にあった穀物の野生種はヒエだけ


―― 続きまして、穀物のお話です。

藤尾 そうですね。もともと、冒頭でもお話ししましたけれど、縄文農耕説があります。縄文農耕説の欠点は、農耕というけれど、いったい何を作っていたのかがなかなか決まらなかったことです。

 でも皆さんの念頭にあるのは、アワやキビといわれている、いわゆる雑穀類なのです。これは何が大きな影響を与えているかというと、照葉樹林文化なのです。

 焼き畑から水田稲作へという、1970年代の大きな理論があります。それで皆さん、アワやキビを想定しているのですけれど、遺跡から出てこないのです。これは考古学者が見つけられないのです。なので、作物が分からない縄文農耕説ですけれど、何とかしてそれを見つけようではないかということによって始まった方法が、次に出てくる「レプリカ法」なのですが、日本列島に野生種からある穀物はヒエだけなのです。

―― では、(それが)どこかから来ているのかということになりますね。

藤尾 アワやキビですが、完成された栽培種が外から来ない限り、日本列島ではもう出てこないという話になるわけです。

―― それはどうして分かるのですか。

藤尾 野生種自体がないですからね。

―― そういうことなのですね。なるほど。

藤尾 ヒエにはイヌビエというものがあるのです。これは、三内丸山遺跡でもたくさん見つかっています。食べてみた人がいるのですけれど、おいしくなかったそうなのです。(アワやキビといった)穀物については野生種がないのです。

 アワやキビというと、キビはインコの餌か、きび団子ぐらいしか私たちは知らないでしょう。(アワは)粟飯とかは食べたことがないので分からないのですけれど、実際に粒の大きさを見ると、(スライドの)下のほうに銀色のものが映っていますが、これが50倍に拡大した模型です。キビがいちばん小さくて、次はアワで、やはりコメは大きい。それから、コクゾウムシはご存じですか。

―― よくコメに付くやつですね。

藤尾 若い人は知らないですよ。小学生は知らないですね。

―― なるほど。

藤尾 コメに付いて、そのコメの中に卵を産んで、そのコメの栄養を食べて大きくなって、育つわけですけれど、右側(の写真)がコクゾウムシです。コメの大きさに比べると少し小...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留