弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化
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旧石器時代人の移動ルートから分かった縄文人の起源
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(5)縄文人のDNA
藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館 研究部 教授/総合研究大学院大学 日本歴史研究コース 名誉教授)
DNA、遺伝子、染色体、ゲノム…これらは今や古代人の研究には欠かせないものだが、その違いを正確に把握している人は意外と少ないのではないか。そこで今回は、まずそれぞれの基本的な概念とその違いを押さえたうえで、弥生人の遺伝子やミトコンドリアの分析から見えてくる、私たち祖先の姿を解説する。(全11話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分07秒
収録日:2024年7月29日
追加日:2025年4月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●DNAと遺伝子とゲノムの違い


―― 先生、続きまして、いよいよ「弥生人のDNA」です。これで縄文人と渡来系弥生人、また二重構造説の見直しというところでございますけれど、まず「DNAとは」というところですね。

藤尾 DNA、遺伝子、染色体、ゲノム、といろいろな言葉があるでしょう。何がどう違うのか、ご存じですか。

―― いや、全然分かりません。

藤尾 例えば人間の染色体です。いちばん右側がXYの染色体です。またそれ以外にも、こういう染色体があります。

 高校の生物で二重螺旋構造のものがあるとか、それがいわゆるDNAといわれるもので、総称になります。DNA自身は4つの塩基、アデニン、グアニン、シトシン、チミンと習ったと思うのですけれど、それが組み合うことによって出来上がっているわけです。それが32億で出来上がっているのが、いわゆる核の中に含まれているDNAなのですけれど、その32億のアデニン、グアニン、シトシン、チミンの羅列の文字列全部のことをゲノムといいます。

―― なるほど。

藤尾 そのゲノムの中でも、例えば髪の毛が縮れているとか、ストレートだとか、目の色がブルーだとかは、ある特定のゲノムの中のある部分の遺伝子で決まっているわけです。

 それが遺伝子になります。だから耳は乾燥しているとか、あれも遺伝子のそういう部分です。その32億あるものの中の一部の決定項目です。それが遺伝子ということになります。ですから、DNAと遺伝子とゲノムはそういう意味で違うわけです。

―― 違うということですね。

藤尾 簡単にいうと、例えば本が1冊あったとして、それ全体がDNAで、その中の見出し、例えば弥生とか古墳というものがおそらく遺伝子に相当して、1冊の百科事典、全てに書いてある文字全部がゲノムです。そういうものが違いになります。


●ミトコンドリアからゲノムへ移った研究対象


藤尾 そのうち、ゲノムでいいますと、この32億あるゲノムの中の99.9パーセントは、現在人類は80億人ほどいるのかもしれませんけれど、全て一緒らしいのです。(つまり)0.1パーセントだけが違うらしい。みな違うわけです。男と女も違うし、性格も違います。わずか0....

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