核DNAからさぐる日本のルーツ
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縄文人のゲノムDNAを決定…比較分析で見えてきたこと
核DNAからさぐる日本のルーツ(8)縄文人のゲノムを得る
斎藤成也(国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系 特任教授)
核ゲノムの分析を行うことで、膨大なデータが得られるようになった。斎藤成也氏は、縄文人のゲノムデータを得ることで、東ユーラシア人とヤポネシア人の各集団がどれほど似ているかを分析することに成功した。(全11話中第8話)
時間:9分58秒
収録日:2018年9月26日
追加日:2019年4月10日
≪全文≫

●縄文人の人骨から直接膨大なDNAを得る


 ということで、現代人を調べてもいろいろなことが分かるということが理解できたと思います。やはり実際に3000年前、4000年前、あるいは1万年前にヤポネシアに生きていた人たちの骨から直接DNAを調べることができれば、それは直接的な証拠になります。そこでわれわれは、最初のヤポネシア人ということで縄文人のゲノムDNAを決定できました。

 この図は結果だけですが、NGSという略称は英語で「Next Generation Sequencer」です。「Next Generation」とは次世代という意味で、これまでの安くて簡単だと思われていた方法よりもはるかに、それこそ桁違いの大量のデータを出せます。そういう方法が21世紀になって、ちょうどヒトゲノムの決定が終わってから一気に出てきたので、その恩恵にあずかっています。そのような新しい方法で、ヒトゲノムの32億など全く問題にならないぐらいものすごい、それこそ何十億、何百億というDNA配列を、非常に安いお金で入手することができるのです。といっても、最初は100万円ぐらいかかりました。ただ、それをポケットマネーで払うと考えれば高いのですが、研究費の予算でいえば私の研究室でも払えます。ですから決定しました。

 そうすると、28億7800万塩基ほど出てきました。これはヒトゲノムの32億よりは少ないのですが、それに匹敵します。ただし、かなりのものはバクテリアでした。われわれは、福島県にある縄文時代末期の三貫地貝塚から見つかった人の歯からDNAを抽出したのですが、3000年ほどたっていますから、そこにはもともとの歯の中の細胞(人間の細胞)由来のDNAもありますけれども、その後貝塚の中のいわゆる死体にどんどんと入り込んできた菌、カビ、あるいはバクテリアといったものがたくさんあるわけです。

 そうしたDNAは、先ほどもお話ししたように生物共通ですから、バクテリアであろうと人間であろうと同じDNAです。それは、機械では区別できません。将来的には今いろいろな新しい方法が出てきて、ヒトゲノムだけを集めるという方法も開発されていますけれども、とにかく決めたということです。そうすると、28億の中で、1億1500万はヒトゲノムの配列とそっくりで、人間のものに間違いないということが分かりました。

 これは膨大な数...

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