核DNAからさぐる日本のルーツ
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現代でも日本への「渡来」は続いている
核DNAからさぐる日本のルーツ(11)三段階渡来説
斎藤成也(国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系 特任教授)
現代の日本では、東北と出雲が似ているといった多様なゲノムの傾向が見られる。シリーズ最終話では、ゲノムを用いた新たな研究発見を踏まえ、従来の二重構造モデルでは説明できない、新たな三段階渡来モデルを提唱する。(全11話中第11話)
時間:9分10秒
収録日:2018年9月26日
追加日:2019年4月17日
≪全文≫

●九州、近畿、関東という中央軸と、それ以外の周辺


 ということで、そんなわずかなデータだけからなのですが、わずかといってもゲノムデータですので、しっかりとした基盤があります。したがって、これまでの定説である二重構造モデルは、図にいうと旧石器時代から縄文時代の、いわゆる縄文という言葉でシンボリックにいわれる人々の渡来の波である第1段階と、弥生という言葉でいわれる弥生時代以降、つまりだいたい3000年ほど前に、大陸から水田稲作が導入されて、日本列島に広がっていった第3段階です。この大きく縄文と弥生で説明してきたものでは不十分であるということで、第2段階を仮定したわけです。

 そして、第2段階と第3段階の組み合わせによって、内なる二重構造ができたのではないかということです。簡単にいいますと、地理的には北部は樺太、千島列島、北海道、南部は南西諸島のことです。中央部は青森から鹿児島までで、大きな楕円で示しました。現在ではこの中央の中に、内なる二重構造があるということを提唱したわけです。すなわち、出雲と東北は近いということです。

 そのことを示したのが上の図です。地理的にどのようになるかというと、1つの考えとしては、まず弥生時代の最初の頃は、九州に政治・文化・経済の中心がありましたので、たくさんの遺跡があります。その後、それが近畿地方に移り、大和朝廷が勃興し、前方後円墳ができてきて古墳時代、飛鳥時代、そして奈良時代になります。その後、平安京にシフトしていくのですが、図ではほんのちょっと北にいくだけで平安時代です。それから、一部、鎌倉時代もありますが、大部分は江戸時代になるまで、京都が都でしたので、私はその間を平安京時代と名付けていますが、徳川幕府以降、現在まで江戸東京時代ということで、この日本の政治的・経済的な中心を結んだところを、中央軸と考えます。

 当たり前だと思うのですが、これにふさわしい地理的名称を私は聞いたことがありません。もしご存じでしたら教えてください。私が子どもの頃には、「太平洋ベルト地帯」という言葉がありました。しかし、太平洋ですから、本当だったら太平洋というのは太平洋側ですので、ちょっとそぐわないわけです。この図では瀬戸内を経由しています。そして、近畿が中央で、後...

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