核DNAからさぐる日本のルーツ
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ゲノムDNA解析で見えてきた「縄文人の遺伝」驚愕の真実
核DNAからさぐる日本のルーツ(6)二重構造モデルの修正
斎藤成也(国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系 特任教授)
ミトコンドリアやY染色体の特徴は、さかのぼっても一人の祖先のものがそのまま遺伝することにある。これでは情報量が少なすぎてルーツは分からない。そこでヒトゲノムを用いた分析を行ったが、驚くべき結果が出たという。それは何か。(全11話中第6話)
時間:10分26秒
収録日:2018年9月26日
追加日:2019年4月5日
≪全文≫

●ヒトゲノムは情報量が多く、多くの祖先の情報が得られる


 ヒトゲノムは、ミトコンドリアDNAやY染色体とは全く違います。私も男ですが、ミトコンドリアはあります。詳しくはお話しする時間はありませんが、これは重要なものです。ところが、ミトコンドリアDNAの場合、なぜか不思議なことに、精子の中にあったミトコンドリアのDNAは、受精すると残酷ですが卵の特別なシステムによって破壊されます。そして卵、すなわちお母さん由来のミトコンドリアが娘にも息子にも伝わります。つまり、私のミトコンドリアDNAは私の子どもには伝わらないということです。

 つまり、さかのぼると結局、男性でも女性でも母親のミトコンドリアDNAをもらっているのです。その母親はそのお母さん、つまりわれわれの母方のおばあちゃんからもらっています。おばあちゃんは母方と父方、2人います。父方のおばあちゃんのミトコンドリアDNAは伝わっていません。あくまでも母方です。したがって、母系遺伝をするということです。

 ところが、ずっとさかのぼっていくと、前回計算しました1024人の1人だけのおばあちゃん、つまりひいひいひいひいおばあちゃんのミトコンドリアDNAが伝わっているわけです。

 Y染色体も同じです。この場合は、男性に限りますけれども、男性のY染色体は当然、お父さんから来ます。つまり、男性はX・Yですから、Xの方は母親から、Yは父親からで、おじいちゃんには父方と母方がいますが、母方のおじいちゃんの場合は伝わっていません。あくまでも父方です。ですから、父、父、父と、父系をたどります。つまり、ひいひいひいひいおじいちゃんをたどるということになります。すごく格好いいようにも思えますが、情報量から見ると、上の図を見ていただけば分かるように、たくさんの祖先のわずか1人の女性、1人の男性の情報しか分かりません。図の膨大な白の部分の人たちの情報が全く消えているわけです。

 それを分かるのが核のDNAです。つまり常染色体で、それは両方ともあるからで、図の白い部分が全部分かります。一人一人の祖先の貢献度、つまり伝わっている割合は少ないのですが、全部を集めると膨大なデータ、情報量になるわけです。これを使います。

 したがって、1人の人間のゲノムDNAでも、いろいろな祖先が分かります。これに関して、「一人の縄文人で何が分かる...

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