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縄文人と弥生人の混血は古墳時代から始まった

核DNAからさぐる日本のルーツ(7)縄文人と弥生人の混血

斎藤成也
国立遺伝学研究所 名誉教授
概要・テキスト
ヤポネシア人には、縄文人の血を残すアイヌ人とオキナワ人、弥生人の血を引くヤマト人の二重の構造があると、これまで論じられてきた。彼らは、どこで出会ったのだろうか。今回は、古墳時代の東北を取り上げる。(全11話中第7話)
時間:10:21
収録日:2018/09/26
追加日:2019/04/07
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≪全文≫

●ヤポネシア人は他の大陸の人々と異なる


 さて、東ユーラシア人の遺伝的関係について、さらにいろいろな人たちを比べますと上の図になります。この結果を最初に見た時は驚きました。これは、いかにわれわれヤポネシア人が、他の大陸の人々と違うのか、明瞭に表している図だからです。これも主成分分析ですが、東アジアから東南アジアの大部分の人たちは、楕円の中に入ります。

 ところが少しずれて、右に朝鮮半島の人々(韓国人)、ヤマト人、オキナワ人、そしてアイヌ人ということで、全体として線のように延びています。この向こうには当然、縄文人がいます。現代人を調べた結果ですが、今までのいろいろな人類学の研究成果から、縄文人との混血の程度として(アイヌ人は)高い、(オキナワ人は)中ぐらい、(ヤマト人は)低い、(韓国人は)ほとんどゼロ、(その他の東アジア人は)全くゼロ、ということを表していると間違いなく解釈できます。

 一方、図の左上の方に離れているのはウイグル人です。ウイグル人に関しては、私も一度、新疆ウイグルのカシュガル市を訪問したことがありますが、彼らの顔付きは一般の東アジアの人とはかなり違います。いわゆるヨーロッパ的な顔付きをしています。そういうことで、遺伝的にも図のように離れています。それから、その右下はシベリアのヤクート人ですが、ウイグル人とはまた違って、最近になって歴史的にロシア人との混血があるということが知られるようになりましたが、こちらも離れています。したがって、ウイグル人とヤクート人は縄文人と全く違う西ユーラシア人との混血ということで、このように離れているといわれます。

 かつて、アイヌ人の顔付きがヨーロッパ的な顔付きをしているということで、アイヌ白人説もありましたけれども、この図から見てもお分かりのように、それは全く否定してもいいと思います。

 では、なぜアイヌの人たちがあのような特殊な顔付きをしていたのでしょうか。特に100年前の人の写真を見ると、非常に驚きます。これは、縄文人が非常に特殊な顔付きの人たちで、その縄文人のDNAを一番色濃く受け継いでいるアイヌの人たちにそうした顔付きが残っていると考えればいいかと思います。


●現在のヤマト人には2割弱しか縄文人の血が流れていない



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