核DNAからさぐる日本のルーツ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
千島列島や上海からも、日本列島に渡来した可能性がある
核DNAからさぐる日本のルーツ(3)ヤポネシアの範囲
歴史と社会
斎藤成也(国立遺伝学研究所 名誉教授)
日本列島の範囲は一体どこまでなのだろうか。現在の国境は、あくまで戦後につくられたにすぎない。そこで、斎藤成也氏はヤポネシアという概念を提唱する。北は千島列島や樺太から、南は与那国島までの南西諸島をさす範囲であり、この地域には、さまざまな時代、場所に人々がやってきた。(全11話中第3話)
時間:10分13秒
収録日:2018年9月26日
追加日:2019年3月29日
≪全文≫

●ヤポネシアの提唱者、島尾敏雄の人生


 ではいよいよ日本列島人、われわれの言葉でいうとヤポネシア人のゲノムについて、お話をしていきます。なお、スライドはないですが、ヤポネシアとは、1960年代に、すでにお亡くなりになられた作家の島尾敏雄さんが提唱された名前です。ヤポとはジャパン、つまり英語で日本ですが、そのラテン語読みだそうです。ネシアとは、ポリネシア、ミクロネシア、メラネシアというように、これもラテン語で島々を表します。したがって、ラテン語のその2つを組み合わせ、日本列島を「ヤポネシア」と呼ぶということです。

 もう1つ大事なことですが、島尾敏雄さんは20年間、奄美大島に住んでらっしゃいました。その後、東京に戻られたと聞いています。また、奥さまは奄美大島出身です。たまたまこの収録が2018年で、NHKの大河ドラマは『西郷どん』です。西郷どんも、短いですが3年間ほど奄美大島に流されて、そこで愛加那と結婚し、子どももできました。そのご子孫が今でもいらっしゃるそうですが、島尾さんは20年間、奄美大島にいたのだから、きっと西郷と自分を重ねていたのではないかと、私は前から思っていました。



●ヤポネシアは千島列島、樺太から与那国島までを指す


 そういうことでヤポネシアですが、どこがヤポネシアでしょうか。今、日本という国は1945年以降の領域で、ごく最近のことです。しかも、いまだに北方四島のことでもめていますし、幾つかの小さな島のことももめています。ですから、もう少し広げて、われわれの祖先がどこに住んでいたかを考えて定義してみました。

 北からいきますと、まず千島列島、樺太、そして北海道です。ここには「アイヌ」と呼ばれる人々がずっと長く住んでいまして、千島アイヌ、樺太アイヌ、そして北海道アイヌと、大きく3つに分かれています。ただ、実際には本州の、特に東北地方には、アイヌ系の人たちが住んでいた痕跡が、地名に残っています。そういうことで、もっと広いのですが、一応そこを全部入れます。ですから、現在は千島も樺太も全てロシア領ですが、そんなことはお構いなく、ヤポネシアに入れます。

 それから、本州、四国、九州です。そして、さらに南西諸島です。県の行政区画ですと、先ほどお話ししました奄美大島は、島津の軍勢が琉球王国を占領して、しかもその領地だった...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
人類の祖先たちの「出アフリカ」…その時期はいつ頃?
斎藤成也
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
編集部ラジオ2025(18)音楽って実は数学でできている?
動画講義だからこそ音楽と数学の深い関係がよくわかる!
テンミニッツ・アカデミー編集部
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために
百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために
門田隆将
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(1)国際秩序の転換点と既存秩序の崩壊
経済秩序や普遍的価値観を破壊し、軍事力行使も辞さぬ米国
佐橋亮
西洋哲学史の10人~哲学入門(10)ニーチェ 超人
ニーチェ:超人、ニヒリズム…善悪は弱者の嫉妬心にすぎない
貫成人
日本のエネルギー政策大転換は可能か?(3)エネルギー政策大転換への提言
カーボンニュートラル達成へ、エネルギー政策の変革は必須
鈴木達治郎