私のおすすめの本~日本の成り立ちについて考えるために~
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本人のルーツについて考えるための本
私のおすすめの本~日本の成り立ちについて考えるために~
斎藤成也(国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系 特任教授)
私たちはどこからきたのかという疑問がある。そんな、ヤポネシア人、日本列島人の成り立ちについて考えるためには、どのような本を読めばいいのだろうか。長年研究を続けてきた斎藤成也氏が、4冊の本を薦めてくれた。
時間:7分47秒
収録日:2018年9月26日
追加日:2019年4月1日
≪全文≫

●埴原和郎氏の『日本人の成り立ち』と二重構造モデル


 それでは、私が影響を受けた書籍ということで、簡単にお話をします。

 まずはヤポネシア人、日本列島人の成り立ちを考える上では、1995年に発表された埴原和郎さんの『日本人の成り立ち』(人文書院)が、やはり重要です。二重構造モデルを日本語できちっと書いているものです。今から、1995年ですので、もう20年以上前に書かれたものですが、非常に多岐にわたっており、その当時の最先端のことが書いてあります。

 われわれはこれをある意味で出発点、あるいは定説として、三重構造とかいろいろなモデルを今提唱しているわけです。


●縄文のミトコンドリア研究書『DNAで語る日本人起源論』


 それから、2018年度からヤポネシアゲノムということで文部科学省から予算をいただいて、30~40人ぐらいのグループで研究をしているところです。私は現代人ゲノム、例えば出雲人など日本中のいろんな人たちを調べるというグループの代表で、国立科学博物館の篠田謙一さんのグループは強力な古代人ゲノムのチームで、私の元弟子である神澤秀明さんがチームに加わっています。

 その篠田さんは、20年以上前から主に縄文人のミトコンドリアDNAをずっと調べてきました。それをまとめたものがこの『DNAで語る日本人起源論』で、2015年に岩波書店から出たものです。ただ、ミトコンドリア中心ではありますが、最後の方のページでは彼らが採ってきたDNAを神澤さんが分析した結果なども紹介されています。ただ、基本的には篠田さんの長年のミトコンドリアDNAの研究成果です。


●弥生時代の時期を修正した『<新>弥生時代』


 次に紹介するのは、この5年間のヤポネシアゲノム研究における、考古学の代表を務めている藤尾慎一郎さんです。彼は千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館の教授です。ちなみに、篠田さんは国立科学博物館、私は国立遺伝学研究所ということで、いずれも国立が付きます。

 この『<新>弥生時代』ですが、新に括弧がついています。これは、彼がいる歴史民俗博物館でだいたい15年以上前に、弥生時代は(今いわれている時期よりも)500年以上前からあったという、考古学の人にとっては衝撃的な成果を出しました。これは、われわれ自然科学の人間にとっては、ある意味では当たり前のことですが、「炭素14法」という方法を使って、自然科学的な解析を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
オスマン帝国とは何か~その繁栄と共生の秘密~
オスマン帝国とは何か?その繁栄の理由
山内昌之
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
人類の祖先たちの「出アフリカ」…その時期はいつ頃?
斎藤成也
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(6)漢字と理性と想像力
漢字と理性と想像力…いま日本人が考えるべきこととは?
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎