弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
生と死が明確に分かれていた…弥生人が生きていた世界とは
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(9)弥生人の「生の世界」
藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館 研究部 教授/総合研究大学院大学 日本歴史研究コース 名誉教授)
弥生時代の衣食住には、いったいどんな文化があったのだろうか。土器やスタンプ痕の分析から浮かび上がる弥生人が生きていた世界、その生活をひもとくと、農耕の発展の経路や死生観など当時のさまざまな文化の背景が見えてくる。(全11話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分14秒
収録日:2024年7月29日
追加日:2025年5月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●紀元前3世紀にはあった文様のある服や織機


―― では先生、続きまして生きている人、生の世界ということですね。

藤尾 次回が死の世界になるので、今回は生きている世界ということになります。

―― はい。

藤尾 まず衣食住です。これは考古学者がいちばん弱いところです。

―― なぜですか。

藤尾 有機質のものが残っていないからです。

―― なるほど。

藤尾 ですけれど、こういう土器で表されたりするのです。これは1つの例なのです。1世紀中頃ぐらいの話なので、弥生時代が始まって1000年以上たってからのお話なのですが、貫頭衣というものを、皆さん、聞いたことがあると思います。胴の真ん中に穴を開けてかぶるというものです。

 当時の弥生時代からの遺跡に出てくる、布を織る織機です。織機から見ると、幅33センチ、1尺ちょっとというのが限界だそうです。2枚並べると66センチになります。

 これをさらにつないでいくと、ある程度長いきれになります。その真ん中に穴を開けて、上からかぶって、服になっていくのですが、もう1つ、こういった土製品から分かったのは筒袖です。袖が筒状になっています。こういうものがすでに紀元前の3世紀には出ているということが、吉野ヶ里の調査から分かっています。

 しかもこの土製品自身はいろいろな文様がついています。だから、服も無色ではなくて、何か模様がついているということです。腰に帯がされていて、1980年代の女性のように肩パッドが入っているようなものが、すでにあったということが最近分かってきているのです。


●炭素と窒素の比率から分かる食生活や農耕事情


―― それで(次は)食生活ですね。

藤尾 食い物なのですけれど、これも有機質ですから、基本的に残っていないのですけれど、何から分かるかというと、骨から分かるのです。

―― そうなのですか。

藤尾 骨の中のコラーゲンの、窒素と炭素の比率を調べるのです。

 窒素の比率が高いと、海産物をたくさん食べているとか、それから炭素の中でも、C3植物とC4植物というものがあって、C4植物というのはアワ・キビなのです。C3植物というのはドングリとかコメなのです。なので、C4のほうに寄っているとアワ・キビ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
編集部ラジオ2026(14)小宮山宏先生:知識の構造化のために
【10min名作探訪】テンミニッツ・アカデミーの意義と発想法
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠(3)飛び道具トラップと「文脈剥離」
IT業界で次々に発動される飛び道具トラップのメカニズム
楠木建
知識の構造化のために(1)テンミニッツTVの問題意識
「知識の爆発」の時代、不可欠なのは世界の全体像の把握
小宮山宏