概説・縄文時代~その最新常識
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
縄文時代の大きな特徴は定住生活…その生活スタイルとは?
概説・縄文時代~その最新常識(5)定住生活のはじまり
山田康弘(東京都立大学人文社会学部 教授)
縄文時代の大きな特色は、定住生活を開始したことである。気候の変化や土器の発明によって、1カ所で継続的に食糧を調達できるようになり、縄文人は徐々に定住生活を選択するようになった。ただ自然のものをそのまま利用するだけでなく、より持続的な生活環境を作るために自然に介入していた形跡も見受けられる。定住生活が当たり前のものとなっているわれわれ現代人の目には、山田康弘氏が語る縄文時代の生活の変化は興味深く映るはずだ。(全13話中第5話)
時間:11分03秒
収録日:2019年6月4日
追加日:2019年10月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●定住生活と比較した際の移動生活のメリット


 縄文時代の大きな特色は、定住生活が始まったという点です。定住生活が始まったことで、縄文人のみならず、人類の生活様式、暮らしぶりが大きく様変わりすることになりました。

 われわれは、基本的にはずっと定住生活をしています。ですから、よく原初的・伝統的な社会において、狩猟採集人たちが移動生活をしていたと聞くと、どうしても現代的な視点からそのような生活を「遅れた」というフィルターをかけて捉えてしまいがちです。しかし、視点を変えると、実は移動することで、人々は大きな社会的問題を解決してきたのです。

 例えば、食べ物について考えてみましょう。われわれ現代人は、定住生活をとても強固に続けています。この生活の中で、われわれ自身が食べ物を生産することは、多くありません。基本的にお金を払って第三者から食べ物を買うという形で、われわれは暮らしています。そうすると、例えば災害があると、食料の供給が断たれてしまうということがあります。

 対して、移動生活をしている人たちは、自ら食べ物のある場所に動いていけます。これは非常に大きい利点です。災害の場合にも、雨が多く降り続いて洪水や崖崩れなどの自然災害が起きそうだと思えば、移動生活をしている人たちは、そこから簡単に逃げることができます。しかし、われわれは強固な定住生活を送っているので、簡単に移動するということができなくなっています。

 さらに、定住生活には、ゴミ問題と排泄物の問題があります。縄文時代の人々は貝塚にゴミを捨てます。おそらくトイレも、どこか一所に決めていたと考えられます。

 対して、プラスチックや鉄などがあればまた別の話ですが、そうでなければ、移動生活をしている人たちは、基本的に身の回りのものを自然の素材を使って作っています。すると、それらはどこに捨てても大きな問題はありません。つまり、衛生面や生活面において、ゴミや排泄物の処理で悩む必要はないということです。

 また、集団で生活していて人が亡くなった場合にも、大きな違いがあります。われわれは、手間暇をかけて葬式を行い、墓に入れて、弔いをします。対して、移動生活をしている人たちも墓を作って埋めますが、そこにもう一度戻ってきて、継続的に供養することはほとんどありません。仮に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平

人気の講義ランキングTOP10
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
国家の利益~国益の理論と歴史(2)ペロポネソス戦争の教訓
国益の歴史…ペロポネソス戦争の教訓とトゥキディデスの罠
小原雅博
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留