大国主神に学ぶ日本人の生き方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
スサノヲは動物的な力の神、大国主神は植物的な力の神
大国主神に学ぶ日本人の生き方(6)2度殺され、2度甦る神
鎌田東二(京都大学名誉教授)
長編詩「大国主」の朗読をさらに進めていく。大国主神は、世界神話でも日本神話でも稀なる「2度殺され、2度甦る神」である。だが考えてみれば、植物的な生命は、どこで死んで、どこで甦るのかがよく分からない部分がある。その意味では、大国主神は、死と再生がつながっている植物的な神といえる。スサノヲは動物的な力の神だが、大国主神は植物的な力の神なのだ。また大国主神は、別の神様(母神など)の力を借りて復活する神だが、とても大きな日本的特徴もある。「オシリス神話」というエジプト神話も取り上げながら、その特徴に迫っていく。(全9話中6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分56秒
収録日:2023年8月8日
追加日:2024年1月14日
≪全文≫

●大国主神が「背負っているもの」は何か


―― そのような4つの魂がどう結びつき、発動するかについて、さらに先生が詩で読んでいます。

鎌田 そうですね。むすびなおしということで。先ほどのつながりですけれども。

あなたは先祖の神 いや真の父神 スサノヲの直系である
そして父神スサノヲのあらみたまをすべて受け継ぎながら
一度もそのあらみたまを発動することなく
その反対にあらみたま(荒魂)をすべてほどき とかして
にぎみたま(和魂)に
さちみたま(幸魂)に
くしみたま(奇魂)に
  変容させた

そんなあなたのメタモルフォーゼ力を 人びとは 
「縁結びの神」として崇拝する

しかし
「縁結び」とは 別名「縁切り」であり また「縁直し」である

簡単にほどくことも むすぶこともできない そのようにしか発動しないえにし
そのえにしを
むすぶ とか
ほどく とか
なおす とか
分不相応の所業を担わされる

  不可能だよ、そんなこと!
  できるわけないよ!
  もう、いやだよ!

碇シンジ君なら そう言うだろう
「怒り瞋持」クンだから
いかりと貪瞋痴の三毒に取り込まれた痛みと苦しみの君だから

その碇シンジ君の苦しみを あなたならよくわかることでしょう
母を亡くした悲しみと 父に捨てられた悲しみ
父神スサノヲも まったく同じ道を辿ったから

でも あなたはちがった
あなたは 母に救われた
あなたのいのちを救ったのは 母だった

兄神たちによって
真っ赤に焼けた大石を受け止めさせられて殺された
そのあなたのからだのかけらを拾い集めて
泣きながら 焼き爛れたからだの一片一片を 貝の中に容れて
乳汁で溶かし ほどき つないで よみがえらせたのは
あなたの母と あなたの母に共感共苦するすべてのおんなたち
おやがみ(祖神)たち であった

あなたは
兄たちの怒りと粗暴で殺されたが
母たちの祈りと処方で甦ったのだった
それも二回も

イエスの殺害と甦りは 一回こっきり
オシリスの殺害と甦りも 一度だけ
だが あなたの殺害と甦りは 二度だった

二回も殺されたあなたは どのような思いの中にあったのでしょうか?...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学
ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ
納富信留
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(1)因果関係とは何なのか
原因と結果の迷宮―因果関係と哲学
一ノ瀬正樹
ムハンマドを知る(1)その役割と人物像
ムハンマドは神の啓示を受けた預言者で共同体の最高指導者
山内昌之
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(3)リベラルアーツの伝統と教育
身につけるべきリベラルアーツとは?…欧米の伝統と変遷から探る
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
中島隆博
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将