日本神話の基本を知る~世界・人間・文化のはじまり
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「国生み・国作り・国譲り・国治め」と「むすひ」の力
日本神話の基本を知る~世界・人間・文化のはじまり
鎌田東二(京都大学名誉教授)
日本神話とはどのような構造・内容なのだろうか。「国生み・国作り・国譲り・国治め」という起承転結のストーリーで進んでいくというが、そこにはどのような神が関わり、そのような話が展開されていくのか。『古事記』『日本書紀』に描かれている神々の物語、人間や文化の起源、神々の活動や死後の世界などを知り、「日本の成り立ち」を理解しよう。
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分58秒
収録日:2022年3月29日
追加日:2022年8月11日
≪全文≫

●「国生み・国作り・国譲り・国治め」というストーリーで進む日本神話


―― 皆様、こんにちは。

鎌田 こんにちは。

―― 本日は鎌田東二先生に、日本神話のあらましについて教えていただきたいと思います。鎌田先生、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、日本神話の総括的なあらすじはどのようなものでしょうか。

鎌田 日本神話を簡潔にまとめると、起承転結になっています。その起承転結の「起」は国を生む「国生み」神話です。次の「承」は、その国を作る「国作り」神話です。「転」はその作った国を譲る「国譲り」神話になり、最後の「結」はその国をどうやって統治するかという「国治め」神話になります。この「国生み」「国作り」「国譲り」「国治め」というストーリーで話が進んでいくことになります。

―― では、最初の「国生み」の部分になりますが、世界がそもそもどのようにして出来上がったのか。これはどのような理屈になっているのでしょうか。

鎌田 日本の国を生むのはイザナギノミコト(イザナギ)、イザナミノミコト(イザナミ)という神様です。そのイザナギ、イザナミの神様に「国を生みなさい」というミッションを与えるのが、「むすひ」の神々になります(「むすひ」は、『日本書紀』では「産霊」、『古事記』では「産巣日」)。

 この世界を生み出す大きな根源的な力が「むすひ」といわれていて、タカミムスヒノカミ(高御産巣日神)、カミムスヒノカミ(神産巣日神)が『古事記』冒頭の2番目、3番目に登場する神々になります。その神々の力が、具体的にイザナギ、イザナミの国生みにつながっていきます。だから、「むすひ」の力の表れが「国生み」という形になる、ということになります。

―― 「むすひ」とはどのような意味なのでしょうか。

鎌田 あらゆる命を生成していく根源的な力を表します。

―― 次に、人間はどのように生まれてきたかというところですが、ここはどうでしょうか。

鎌田 人間のことを「青人草」などと表現するのですが、その人間は、もともとは神々であるとされます。その神々のおおもとが、具体的には国生み神話の神様であるイザナギ、イザナミになります。そのイザナギ、イザナミという神様が人間のような体を持ち、性的な交わりをして、この国土(日本...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
現在の宇宙の姿(2)太陽系から星の世界へ
太陽系とその外に広がる星の世界との関係
岡村定矩
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子