大国主神に学ぶ日本人の生き方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「むすひ」「修理固成」…古事記のキーワードと大国主神の力
大国主神に学ぶ日本人の生き方(4)「むすひ」と「修理固成」の力
鎌田東二(京都大学名誉教授)
『古事記』における重要な2つのキーワードに、「むすひ」と「修理固成」がある。世界神話には見られない日本神話の特徴でもあるこの2つは、どういったものであるか。また、この2つがもたらす天壌無窮の「終わりなきダイナミズム」とは。さらに、これらが大国主神のもつ健康と癒しのわざである「なおす力」にもつながっていくことを解説する。(全9話中4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分44秒
収録日:2023年8月8日
追加日:2023年12月31日
≪全文≫

●『古事記』の重要な2つのキーワード


―― その大国主神の背景になるものとして、「むすひ」と「修理固成」があります。この2つは、これまでの講義でもお話しいただいています。

鎌田 そうです。キーワードでしたね。

―― すでにお話しいただいているので、ここでは簡単にご説明いただくと、どういうことになるでしょうか。

鎌田 今までの日本神話の、特に『古事記』におけるメッセージのキーワードを2つ挙げよと言われれば、私は「むすひ」と「修理固成」を挙げます。「修理固成」をどう読むかはいろいろな説があるのですが、「おさめ、つくり、かため、なせ」と岩波文庫では読んでいます。それに従って見ていきます。

 「むすひ」とは根源的な生成力で、その生成力は先ほど言ったような創造も生み出すけれども、破壊的な部分、死の部分をも含み持ちます。だけれども、その後もさらに創造、生成を続けていく。この根源的な生成の力が、生存の基盤にある、存在の基盤にある。

 では、それをどうやって運営していくか(託された運営の有り様)。農業をするためには種が必要だし、それを育てる水が必要だし、いろいろなやり方や創意工夫があるでしょう。「修理固成」とは、まさにその創意工夫の有り様です。だから、それはテクノロジーでもあり、1つの作法でもあり、儀礼のようなものなど、いろいろなものを含みます。そして、それはある種の生存の哲学に則りながら、生存の戦略として編み出されてくる。メソッドやテクノロジーなども含みます。それが「修理固成」という言葉になる。

 つまり私たちに、「この世界はどのような状態になっていても修理できる。作り直せ、固め直せ、修め直せ」といっている。要するに、なおす(リコンストラクション、リプロダクション)、再び新たにそれを甦らせる、あるいは甦らせることができなくても再構築(リメイク)していくことができる。

 映画などでもリメイクされたカバー曲などがあるでしょう。神話にもいろいろなメッセージがあって、伝わっていくということはリメイクできるからなのです。そのリメイク力がないと、生き延びられないのです。

 「同じものを同じ形で」というのは、創業者が替わって2代目、3代目はできません。でも、うまくリメイクしていけば、それは続いていく。できなければ、そこで途絶えてしまい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二

人気の講義ランキングTOP10
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男