大国主神に学ぶ日本人の生き方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
生と死の往来…助けられながら達成する最弱にして最強の神
大国主神に学ぶ日本人の生き方(3)一番弱いが、一番強い
鎌田東二(京都大学名誉教授)
大国主神はいったいどのような神様だったのか。出雲系の神々の1人である大国主神は、神話の中でどのような位置づけだったのか。「一番弱いけれども、一番強い」と鎌田氏は評する。また、生と死を行き来して、死からも力を得る神様だとも。鎌田氏は、がんを宣告され、その後の日々の中で「死からも力を得る」ことを実感したという。今回は「因幡の白兎」をはじめ、出雲系の神々の物語をおさらいし、さらに、大国主神の「国作り」「国譲り」の特徴を解説する。(全9話中3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:17分57秒
収録日:2023年8月8日
追加日:2023年12月24日
≪全文≫

●出雲系の神々の祖はカミムスヒノカミ


―― 続きましてお聞きしたいのは、そもそも大国主神はどのような神様だったかということです。鎌田先生にはこれまでもテンミニッツTVでいろいろな講義をしていただきました。

鎌田 何回くらい行ったのでしょう。数十回は行いましたよね。

―― そうですね。ご講義いただき、大きなあらすじはそちらでお話しいただいたので、ここでは改めて復習・おさらいとして、大国主神の位置づけについてお話を聞きたいと思います。まず大国主神は、出雲系の神々の1人に入るわけですね。

鎌田 そうです。出雲系の神々がどこから始まるのかといえば、『古事記』の神統譜(神の系譜)では、カミムスヒノカミ(神産巣日神/『日本書紀』では神皇産霊尊)です。

 『古事記』冒頭で、「高天原に成りませる神のみ名は、天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)。次に高御産巣日神(タカミムスビノカミ)」とあります。このタカミムスビノカミが皇室系(天つ神の系統)で、天照大神(アマテラスオオミカミ)などにつながっていく。

 3番目に現れ出る神様がカミムスヒです。このカミムスヒが、出雲系に関わってくる重要な神様になる。そのカミムスヒノカミを出雲大社の摂社の中に含み持っているのが、出雲の神々の延喜式内社という制度の中で位置づけられてきているのです。

 出雲大社の境内の中に、伊能知奴志神社(イノチヌシノカミノヤシロ)や伊能知比売神社(イノチヒメノカミノヤシロ)といった神々が出てきます。イノチヌシノカミは、このカミムスヒノカミのことです。イノチヒメは、蚶貝比売(キサガヒヒメ)、蛤貝比売(ウムギヒメ)の2神のことです。

 死んだ大国主神を甦らせるのが、イノチヌシとイノチヒメです。この3神がそれぞれ役割を持ち、死んでしまって焼けただれた大国主神を甦らせる役割を果たします。

 そして、お母さん(お母さんを入れると4女神になりますが)が乳汁(ちしる)を出す。その乳液(乳房の乳の汁)が、細胞を復活させるための必需品であったのです。まず、それが1点です。


●がんになって「死からも力を得られる」ことを実感した


鎌田 出雲神話そのものは命を大きなテーマにしています。では、命はどのような有りようをしているかというと、「生きる...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一

人気の講義ランキングTOP10
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(2)“変わり者”の生かし方と後継者選び
「人材の組み合わせ」こそ「尖った才能」を輝かせる必勝法
水野道訓
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
AI時代と人間の再定義(7)AIと倫理の問題と法整備の可能性
人間のほうがAIに寄ってしまう?…関係性と倫理のあり方
中島隆博
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
デモクラシーの基盤とは何か(3)政治と経済を架橋するもの
「哲学・歴史」と「実証研究」の両立で広い視野をつかむ
齋藤純一
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典