大国主神に学ぶ日本人の生き方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
国譲りによる平和…国作りをした大国主神の深い協力とは
大国主神に学ぶ日本人の生き方(7)世界でも稀なる「国譲り」
鎌田東二(京都大学名誉教授)
国作りを果たした大国主神は、やがて「国譲り」に直面する。だが、争いを起こさずに国を譲った大国主神は、その後も生き延び、祀られ続ける。これは、世界の神話には見られないこの日本神話の特徴といえるものであり、そこには深いコワーキング、コーポレートの姿がある。その世界的に不可思議な大国主神の「国譲り」について、前回に続き鎌田氏の詩の朗読をもとに見ていく。(全9話中7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分45秒
収録日:2023年8月8日
追加日:2024年1月21日
≪全文≫

●破壊では終わらない。大きな甦り、循環や修理固成が生まれる。


―― また詩でございますが、先の部分のほうに進んでいきたいと思います。先生がご解説くださったうちの、これは2つ目のパートですね。

鎌田 たすけ

おほくにぬし
大国主の神

たしかに
あなたの名前は雄大であるが
しかし
あなたほど弱い神はいなかった

あなたは 最強の神スサノヲの子孫の中で 最弱の神だった

だが そんな最弱の神であるあなたが スサノヲの霊統を受け継いだ
スサノヲの衣鉢を継いだ

スサノヲの霊統とは
傷む神であること
傷み 痛み 悼む神であること
そのいたみとかなしみが うたとなる

歌う神
あなたに宿命づけられた霊性とは
そんな歌う神の霊統であった

父祖スサノヲの場合
その歌の始まりは喪失にあった

 この後どのように続くかというと、お母さんを失った。お母さんを失って泣き叫んでいる、その泣き叫び、悲しみを、父も姉もよく理解しなかった。その理解されなかった悲しみが暴力にもなって、粗暴な振る舞いにもなっていくという構造で、いってみれば不良少年の原形的な物語です。

―― 誰にも理解されないというところからだと。

鎌田 僕は誰にも理解されない。独りぼっちだという孤独感や孤立感のようなものが暴力になっていく。暴力が外に向かう場合もあれば、自己に向かう場合もあります。そういう暴力的なものが生まれてくるということです。

 これはある種、普遍的な構造を持っていると思うのです。ダメージを受け、傷ついた自分を建て直していくためには、何らかの形で荒ぶりが生まれてくる。その荒ぶりが、内にも外にも向かって攻撃性になってくる。それはある種の残虐なふるまいを生み出す。破壊も生み出す。

 でも、破壊で終わるわけではない。そこをどうやって通過するかによって、大きな甦り、循環や修理固成が生まれる。スサノヲの場合は八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治することによって、その心が晴れていき、犠牲になろうとしていた寸前のクシナダヒメを助けたわけです。助けることによって自分も救われていくわけです。そして歌うことによって、その浄化がさらに完成していく。そういったプロセスを辿っていくスサノヲ神話が持つメッセージ力も非常に重要なのですが、そのスサノヲの直系がさらに次のバリエーション...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学
ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ
納富信留
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
「禅とは何か」藤田一照師が禅と仏教の心を説く…自発性を重んじる
藤田一照
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
インド神話の基本を知る(1)インドの特性と神話の成り立ち
インド神話…『リグ・ヴェーダ』『マハーバーラタ』の壮絶な物語
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
戦国武将の経済学(3)豊臣秀吉の経済政策
豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
小和田哲男
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎