「江戸のメディア王」蔦屋重三郎の生涯
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
田沼なくして蔦重なし? 再評価される江戸経済の真実
「江戸のメディア王」蔦屋重三郎の生涯(3)田沼意次の経済政策
堀口茉純(歴史作家、江戸風俗研究家)
蔦重が出版界で大きな成功を収めた要因として、ちょうどそれが田沼意次時代だったということ抜きには語れない。田沼が政策を指揮していた時代特有の、開放的でポジティブな経済の潮流が、蔦重やほかの商人の意気を育んだ。具体的に田沼の経済政策の特徴をひも解いていこう。(全8話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分36秒
収録日:2024年11月6日
追加日:2025年1月23日
≪全文≫

●田沼意次は経済政策面で画期的だった


―― 前回(第1話・第2話)の講義で蔦屋重三郎、蔦重さんの生涯についてお話しいただきましたけれども、この蔦重について考えるときには、第1話の講義でもお話がございましたけれども、田沼時代であるというその時代背景が非常に重要だということでした。この田沼意次は、いろいろな評価をされる人ですけれども、この回では、その人がどういう人なのかということに迫ってみたいと思います。堀口さんは学生のころから田沼意次が大好きだということですね。

堀口 そうですね(笑)。個人的に大好きです。

―― 昔だと、本当に賄賂政治のイメージが強いですから、「好きです」と言うと、「え!」という反応が多かったのではないかと思うのですが、そこはいかがですか?

堀口 そうですね。「なんで?」というところから、まず言われてしまう田沼意次ではありましたけれども、この方は江戸時代における経済政策という意味で見たときに、本当に画期的なことをやっていたと思いますし、再評価がなされるべくしてなされている人だなと、魅力的な人だなと感じています。

―― なるほど。いよいよ本格的な再評価の時代がやってきたというところでございますね。

堀口 はい。嬉しいかぎりです(笑)。


●田沼なくして蔦重の台頭はなかった


堀口 まさに蔦屋重三郎が生きた時代が田沼時代ということで、蔦重の活躍というのは田沼時代という時代があったからこそ、蔦重は田沼時代という時代が生んだ寵児だと私も思っております。その活躍期の前半が田沼時代に当たるということで、この時代の雰囲気がなければ、本当に活躍はできなかったということなのです。

―― いま、時代の雰囲気というのがありましたけれども、ひと言でいうと、どういう雰囲気だったということですか?

堀口 やはり経済が動いていた時代なのです。

―― 盛り上がっていく。

堀口 はい。人びとが「自分ももしかすると、がんばればお金を稼いで上に行けるかもしれない」というエネルギーに溢れていた時代です。

 田沼時代というのは言うまでもなく、田沼意次が中心となって幕府の政治を動かしていた時代なわけですが、始まりの時期に関しては諸説あるのですけれども、一応、田沼が10代将軍徳川家治の側用人に就任して、相良城主になった明和4年(1767年)ごろからとするのが一般的です。


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留