田沼意次の革新力~産業・流通・貨幣経済
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
貨幣不足とリフレ・デフレ政策…田沼以前の日本経済に注目
第2話へ進む
田沼意次とは?再評価で注目の人物像と時代背景に迫る
田沼意次の革新力~産業・流通・貨幣経済(1)田沼意次の生い立ちとその時代
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
田沼意次の人物像と政策を通して、江戸時代の転換期を振り返る今シリーズ。農産物・工産物の流通・発展、また貨幣経済の拡大など、田沼時代の特徴を振り返る。まずは、田沼意次の生涯である。田沼意次の父は一説には浪人だったともいわれるが、徳川吉宗の信任を得て、吉宗の側近となり、その息子の意次も、実力を発揮して出世の道を歩んでいった。田沼意次が、その生涯の中で見てきたもの、行おうとしたことは何だったのか。(全6話中第1話)
時間:11分09秒
収録日:2025年1月28日
追加日:2025年5月30日
≪全文≫

●近年再評価される田沼意次、時代背景とその人物像に注目


 養田です。本日もよろしくお願いいたします。今回は、江戸時代の転換期ともいえる田沼時代についてお話したいと思います。

 この時代は、米作り中心の世から、各地で農産物・工産物などの今でいう名産品が生まれ、それに伴い流通、貨幣経済が発展する、そういった世の中に変化するタイミングでもありました。本日はこうした時代背景をも合わせて、田沼時代と田沼意次について見ていきます。

 さて最初のページ、上段の図表ですが、左から享保の改革、田沼時代、寛政の改革の3つの時代を並べています。

 昔の教科書では、享保の改革は目安箱を設置するなど庶民の声をよく聞いて良い政治だったが、米の価格コントロールには悩んだ。その後、田沼時代は賑やかで活気はあったけれど賄賂が横行する時代、そして寛政の改革で、武士らしい世の中に戻ったのだけれど、一方で住みにくい世の中になった、とあり、右側にあるような狂歌が紹介されていました。

 近年、意次の評価は見直されていて、むしろ先見性の高い政治であったといわれることも多く、また歴史に詳しい方では、この3時代は大きく反対方向に舵が切られたわけでもなく、連続性があったことをご存じの方もいらっしゃると思います。

 今回の講義はこうした近年の再評価も踏まえ、この時期の時代背景、例えば人口動態や田畑の面積の推移、あるいは生産・流通の発展の様子、はたまた金銀などの産出量低下と貨幣経済の必要性向上という、相反する話、また海外との交易の状況などを確認しながら、田沼時代、そして意次という人物そのもの、この2つについて見ていきたいと思います。


●将軍の信認厚かった田沼意次の生涯


 さて、まずは年表でこの時代を大まかに見ていきます。上は徳川吉宗が将軍になった1716年、下は化政文化の時代がはじまる1804年までおおよそ100年間の流れを表しています。

 左側に色で区分していますが、これを見て最初に思うのは、田沼時代は意外に長いな、ということです。享保の改革期は30年ほど続きましたが、田沼時代は長めの定義で30年強です。意次が権勢を誇った時期に限定しても15年ほどあります。それに対し寛政の改革期...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(16)宮本弘曉先生:AI大格差
【10min解説】宮本弘曉先生「AI大格差」仕事と給料の未来
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(4)「国のかたち」を守った男たち
全責任をかぶることを恐れず本義を貫く…樋口季一郎の決断と行動
門田隆将
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(2)ノイズと半身社会の処方箋
ノイズを楽しむ――半身社会の「読書と教養のすすめ」
三宅香帆
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
ウェルビーイングを高めるDE&I(4)人的資本経営の核となるDE&I:後編
日本は不寛容な国か?完璧主義の弊害とDE&Iを進める必要性
青島未佳
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将