田沼意次の革新力~産業・流通・貨幣経済
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
豊かな江戸文化の礎は?…「享保の改革」以降の政策を比較
田沼意次の革新力~産業・流通・貨幣経済(6)江戸後半100年を支えた田沼時代
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
江戸時代、化政文化期の文化人を生んだのは、経済や文化の発展が積極的に促された田沼時代だった。そんな田沼時代の政策を、享保の改革、田沼時代、寛政の改革という3つの時期で比較しながら改めて振り返る。そこから、その後の100年を支えた田沼意次の政策の真の意味を読み解く。(全6話中第6話)
時間:7分13秒
収録日:2025年1月28日
追加日:2025年7月4日
≪全文≫

●地方経済の発展と化政文化


 さて次は、政策というより、田沼時代の文化・教育の様子です。

 冒頭の年表でも申し上げましたが、化政文化(期)の文化人とされる人々のうち、このページにあるような人々は、その前の時代である田沼時代の人々です。出版業のパイオニア蔦屋重三郎なども、まさにこの時代に生まれ活躍し、田沼意次失脚後は寛政の改革による風紀取り締まりで処分を受けてしまいます。

 このような文化の盛り上がりの背景は、単に商業・貨幣経済が発展したというだけでなく、大都市以外に江戸周辺や地方各地で経済が発展したことも影響していることでしょう。

 前半でこの時代人口は横ばいというグラフがありましたが、実は、大都市はやや人口減、代わりに地方の中核都市では人口が増加していた、という調査結果もあります。

 そういえば、「お陰参り」という伊勢神宮への旅行が全国で流行するのもこの頃です。当然全国の地方各地で経済が発展し、所得も向上していたという背景があってのことでしょう。こうした流行が、お土産品や記念品としての浮世絵、ガイドブックの発行などメディア系産業の発展につながったことも想像されます。

 また、国学が流行ったのもこの時代の特徴です。国学は朝廷に力があった頃を懐かしむ復古思想を含んでおり、幕府にとっては好ましい文学ではなかったはずですが、おそらく意次の生い立ち、元の身分なども絡み、従来の幕府権威にとらわれない雰囲気が醸成されていたように思います。もっともその後、寛政異学の禁で下火になり、朱子学全盛となります。


●「享保の改革」以降の政策を比較する


 さて、こうして見てまいりましたが最後に、冒頭でも申し上げた享保の改革から続く3時代の連続性と相違点、転換点について纏めてみましょう。

 左側、上から財政再建、農業・産業政策、商業・物流政策、通貨政策などと続きますが、まず大きな連続性という意味では、この3時代はいずれも財政再建に取り組んでいたということです。

 享保の改革で年貢強化したことに始まり、田沼時代の前半も緊縮財政は続き、倹約が推奨されています。予算制度のような考えが導入されたのもこの頃といわれています。もっとも田沼時代の後半で、年貢以外の税収確保に切り替えていった...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
技術と民生から見た明治維新(1)遠藤謹助
遠藤謹助―造幣局をつくった「造幣の父」
山内昌之

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(13)心の「柔軟性」を高めるヒント
【10minでわかる】心の「柔軟性」を高めるヒント
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(3)救った人数とゴールデンブックの謎
樋口季一郎のユダヤ難民救出数は?ゴールデンブックの謎は?
門田隆将
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
川上浩司
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏