「江戸のメディア王」蔦屋重三郎の生涯
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
蔦重も手掛けた、江戸のコミック本「黄表紙」とは
「江戸のメディア王」蔦屋重三郎の生涯(5)時流に乗り才能を見出す蔦重の手腕
堀口茉純(歴史作家、江戸風俗研究家)
吉原に店を持つという地の利を生かして出版界に台頭した蔦屋重三郎。彼は具体的にどのような出版物を扱っていったのだろうか。「版本」や「黄表紙」といった、当時の流行書籍に目をつけ、そこに資金を注ぎ込み才能ある書き手を採用することでヒットを連発した蔦重のその手腕を解説する。(全8話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分50秒
収録日:2024年11月6日
追加日:2025年2月6日
≪全文≫

●おとな向け書籍が流行したタイミングで出版に参入した


―― さて、田沼時代ということで、その社会的な背景をお話しいただきましたけれども、いよいよ、では蔦重(蔦屋重三郎)がどんな仕事をしたのかというところで、具体的にお話をいただいていきたいと思います。

堀口 はい。

―― 膨大な仕事をしてきたのだというお話が前半にございましたけれども、今回、お聞きするのは狂歌ですとか、版本です。ここでどんなことをしたのかというお話をお聞きできればと思います。

堀口 はい、そうですね。田沼時代というのは商品経済が活発化して、さまざまな文化が花開いた時代なわけなのですが、出版業界が本当に盛り上がった時代です。なので、おそらく蔦重も「一旗揚げるなら出版業界だ!」ということで、飛び込んだのだと思うのです。

―― なるほど。

堀口 といいますのも、おとな向けのおもしろい出版物が大流行し始めた時代だったのです。

 例えば、平賀源内は滑稽本の最初になる作品、当時、おなら芸で一世を風靡した霧降花咲男(きりふりはなさきおとこ)という大道芸人さんがいたのですが、その人の芸を『放屁論』という論文風にまとめて出版してみたりしました。それから鱗形屋からは『金々先生栄花夢』というような、おとな向けのおもしろい本がたくさん出ました。黄表紙とかいわれる本も出た時代です。こういった本が大きく括ると、版本と呼ばれるものなのです。

―― ちょうど先ほど(第4話で)、鈴木春信の錦絵の話もありましたけれども、蔦重は新しいジャンルをつくるときも、その乗ってきた波をより高みに持っていったというイメージになるのでしょうか。

堀口 そうです。時代の波に本当にうまく乗りました。


●消費者心理を刺激する蔦屋の「版本」づくり


堀口 この「版本」というのは「版木で刷った本」という意味です。蔦重というと、写楽とか歌麿みたいな錦絵の一枚絵のイメージが強いと思うのですけれども、実は田沼時代は版本をメインにつくっていたのです。

―― なるほど。

堀口 こちらは安永5年(1776年)ですので、蔦重が20代半ばですから、吉原遊郭に店があるころです。そのころの蔦屋の出版物は地の利を最大限に生かしているな、ということがわかりますのが、この『青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)』...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(2)開国の是非と将軍継嗣問題
「尊王攘夷か佐幕か」…天皇絶対主義に結びつく厄介な問題
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(6)「学ぶ」ことの本質と道徳の問題
「一人で悟るのは危険だ」…学ぶことの本質と日本の役割とは?
中島隆博
組織心理学~「妬み」との上手な付き合い方(1)いい妬み・悪い妬み
いい妬みと悪い妬みの2種類がある…「嫉妬」の本質に迫る
山浦一保
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(3)稲作社会と頑張る日本人
ダメなのは「頑張りが足らない」から…うつを招く稲作的発想
與那覇潤
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博