概説・縄文時代~その最新常識
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
縄文時代早期の「定住革命」は現代まで影響を与える画期
概説・縄文時代~その最新常識(6)定住革命
山田康弘(東京都立大学人文社会学部 教授)
定住生活が始まると、さまざまな方面で定住生活文化が成熟していく。貝塚や作業場の設置、水路などのインフラ整備といったハード面の発展から、呪術や儀式、社会的な取り決めといった社会的・精神的なソフト面の発展まで、その範囲は幅広い。今回の講義を視聴すれば、「定住革命」と呼ぶこの画期が、現代の生活にまで大きな影響を与えていることが分かるだろう。(全13話中第6話)
時間:14分16秒
収録日:2019年6月4日
追加日:2019年10月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●計画的な集落景観の出現やインフラの整備など定住生活も発展していく


 前回お話ししたように村を作ると、例えば、ここにはクリを植える、そこには漆を植える、あそこでは何をする、などさまざまな場所決めを行います。また、居住地域に関しても、ここに家を建てるので崖の斜面はゴミ捨て場にしよう、といった場所決めを行います。そうして、崖の斜面が貝などの捨て場所に決まると、そこに貝塚が形成されていきます。さらに、人が亡くなった場合には、墓地を立てます。

 このように、計画的に集落の中を区分していったのです。少し大げさな言い方ですが、都市計画を彼らは考えているのです。われわれはこれを、「計画的な集落景観の出現」と呼びます。これは縄文時代の大きな特徴の一つです。

 また、定住生活をすると、多くの道具立てが必要となり、さらにそれを用いた作業を村の中ですることになります。例えば、石器を作ったり、土器を作ったり、いろいろなものを編んだり、動物を解体したり、などです。そのために、さまざまな作業場を作ります。こうしたインフラの整備がなされていきます。

 さらに、村の内部に水さらしが必要だとすると、村から小川の方に下りていく場所に木を使って木道を作ります。まさにインフラです。そして、水さらしをするために大きな水槽を作ります。堅果類の加工場、それから食料の貯蔵場所、そこに至るまでの道などを整備していきます。

 それから、沢の方に下りていきたいが、ぬかるみが強くて入れない場合、そこに大量の土砂を入れ込みます。あるいは、その土砂の中にわざと土器をまぜて、足で踏んだときに沈み込まないようにしています。このような痕跡も、山形県の押出(おんだし)遺跡などで見つかっています。

 このように、縄文人は自然をそのままに利用するだけではなく、使いやすいように改良していきます。こうした中で、集落の中にさまざまな形で都市計画が張り巡らされていきました。


●村と村をつなぐネットワークは婚姻と祭祀によって強化されていった


 一方で、1カ所に定住すると、例えば石器を作るために黒曜石、装身具を作るためにヒスイが必要という場合、自分たちで採りに行くには距離も遠く、時間がかかります。そうすると、村と村をつなぐネットワークを利用して、必要な物資を調達するようになりま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
編集部ラジオ2026(27)昭和の名将・根本博
【10min解説】根本博…戦後の内蒙古での激闘と台湾での義戦
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(4)決断のかげにあった深い葛藤
情報を基にいかに決断するか…その深い葛藤と「南泉猫を斬る」
門田隆将
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀