歴史から考える「ロシアの戦略」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
全面戦争はできない!?戦後のソ連の思惑と米ソ軍備拡張競争
歴史から考える「ロシアの戦略」(4)ソ連の極東戦略と戦後の米ソ対立
山添博史(防衛研究所 地域研究部 米欧ロシア研究室長)
ソ連の基本戦略は強国との対決を避けることである。強国の中でソ連にとって最大の敵はアメリカである。では第2次世界大戦から戦後にかけてソ連はどのような動きをしていたのか。その流れを追いながら、自国維持のためにアメリカとの直接対決を避けようとしたソ連の思惑と戦略を解説していく。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分57秒
収録日:2024年1月18日
追加日:2024年3月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本軍を警戒するソ連の極東戦略


―― そのような形で実際にヨーロッパ方面では独ソ戦が始まるまでの状況ができてくるということですけれど、極東のほうはどうなっていくのですか。

山添 極東のほうは、基本的にはまだまだ弱いというのがソ連の立場です。なので、ドイツに対して備えていくことのほうがもっと大事であるわけで、最初から日本と戦っていくという考えではないのです。

 むしろ満州事変が起こった頃、満州全域に日本の関東軍が出てくるようになってきた場合、ソ連が権益を持っていた北の満州鉄道が日本の力に直面して奪われる前に売却したほうがいいということで、力のある日本に売却するということを行います。

 その後は、ソ連極東領土とモンゴルの防衛です。極東は人口が少ないですし、産業も力を入れていかないといけないので、ここでも防衛的に準備をしていく。工業化を進めていって戦車をつくっていくということがなんとか急いで間に合ったので、ノモンハンでの衝突が1939年にありますが、モンゴルと満州の国境で、モンゴル軍との連合軍ですけれどソ連軍はなんとか勝つことができたということです。

 ですから、そこから後も関東軍がソ連領に攻めてくるのではないかということを恐れる側であったのです。

―― 昭和史に少しお詳しい方ですと、例えば「ゾルゲ事件」ですとか、日本が北に行くのか南に行くのかというところでいろんな工作を仕掛けてくるというような話もありますが、そのあたり、ソ連の意識ではどういう位置付けになっているのですか。

山添 ゾルゲで一番期待されていた情報は、日本が北に攻めてくるのかの判断材料ですね。日本陸軍はかつても実際にシベリア出兵とか、そういうときに大幅にロシア領内に侵攻していったこともあったわけですから、当時もまた攻撃してくるかもしれないとソ連は考えた。日本にそういう兆候があったら、その意思や力を把握しておくということがゾルゲに求められていたわけなのです。やはり極東領土を守っておくということが一番大きな動機です。

―― それは、当時の日本がソ連としてはなかなか手が出せる相手ではなく、むしろ実力としては手が出せないので工作等を仕掛けていくというような感じですか。

山添 そうですね。それでもし状況が許せば侵攻するというように、機会があれば日本軍を叩...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(10)ユダヤ人特集~鶴見太郎先生
【10min解説】鶴見太郎先生《教養としてのユダヤ人の歴史》
テンミニッツ・アカデミー編集部
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄