歴史の探り方、活かし方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
実際に史料をどうやって読み解いていけばいいのか。今回から具体的な史料の読み解き方をケース・スタディしていく。最初は『太閤記』に関する参考資料を用いて、太閤・豊臣秀吉と関白・秀次の関係を考える。そもそも『太閤記』にはさまざまな書があり、どれも実証性には欠けている。そのため、二人の関係は通俗的・一般的な読みにとどまってきたのである。しかし、昭和62年(1987年)に出た『武功夜話』という本が、これまでになかった見方を提示したのだ。はたしてそれは、どのようなことだったのか。(2025年4月26日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第4話)
※司会者:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:10分19秒
収録日:2025年4月26日
追加日:2025年11月22日
≪全文≫

●ポピュラーな『太閤記』を他の史料とあわせ読む


―― それでは続いて具体編として、実際にどう史料を読み解いていったかというところ、史実・史料分析例ということでお話を伺いたいと思います。

中村 では、皆さんが一番よくご存じの人物のことから、各論に入りたいと思います。最初は豊臣秀吉という人について話をします。

 この人について書かれたものは、大体『太閤記』といわれることが多い。NHKのドラマで、北政所を主人公にした『おんな太閤記』というような番組ができるのは、『太閤記』というものが秀吉の一代記として非常にポピュラーになっているからです。

 この『太閤記』にも、いろいろな『太閤記』があります。そもそも『太閤記』はなぜ『太閤記』というかというと、これは関白を辞めた後、元の関白がご隠居さんのような形で、より一つ先の位として太閤になるのですが、それでもなおかつ天皇に届ける資料は先に読む権利がある。つまり、関白より強い実権を持ったご隠居という形を「太閤」といいます。その代表者が秀吉であるため、『太閤記』というとまず秀吉を指します。

 特に川角(かわずみ)三郎右衛門という人が書いたという伝承のあるものは、『川角太閤記』といわれます。(他にも)何種類もあるのですが、一番ポピュラーなのは、小瀬甫庵という人の書いた『太閤記』です。これは「小瀬甫庵(おぜ・ほあん)」と読みます。

 この人の書いた『太閤記』が一番読まれていて、今でも岩波文庫に上下巻で入っています。ですから、『太閤記』というと、どうもこれを指すことが多く、有名でもありますから、イコール超一流の伝記史料かというと、実はそうではないのです。しかし、ポピュラーなのは事実なので、ただの『太閤記』ではなく、甫庵を付けて『甫庵太閤記』と呼ばれることもあります。


●太閤・秀吉と関白・秀次、そして歴史的背景


中村 ところが、これを読んでいくと、まだ実証主義ということがよく分かっていない16世紀の人物が書いているものですから、かなりひどいところがあります。ただ、他の史料でそれを補っていくことは可能です。

 さて、秀吉の晩年で最も残酷な行為は、自分が太閤になった後に、次の関白にした養子の豊臣秀次(ヒデツグではなくヒデツギと読みます)に(対する仕打ちでした)。

 なぜ彼を関白にしたかというと、秀吉は文禄・慶長の役で朝鮮半島に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(10)戦後の「五族」の運命
「五族協和」の真実と満洲国崩壊後の五族の悲劇…満洲人、朝鮮人、露人、蒙古人、漢人らの戦後悲史を直視せよ
宮脇淳子
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(3)戦争終結シナリオと大統領選挙の行方
MAGA連合に亀裂!?イラン戦争が及ぼす大統領選への影響
東秀敏
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大