歴史から考える「ロシアの戦略」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜソ連は崩壊したか?…新冷戦とアメリカへの恐怖心
歴史から考える「ロシアの戦略」(5)冷戦の時代とソ連解体
山添博史(防衛研究所 地域研究部 米欧ロシア研究室長)
キューバ危機以降、アメリカを警戒しながらも核兵器の開発などにより一定の地位を築いたソ連。冷戦構造の中で社会主義国を牽引していたソ連だが、1980年代以降、その足場は崩れ出す。社会的背景や疑心暗鬼が生んだ悪手をひも解き、ソ連解体のきっかけまでを振り返る。(全7話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分58秒
収録日:2024年1月18日
追加日:2024年3月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●ソ連のもくろみが外れたキューバ危機


―― それで、実際キューバ危機も起きてくるわけですよね。これは、ソ連にとってはチャンスだったのですか、ピンチだったのですか。

山添 フルシチョフは一時期チャンスだと思っていました。ケネディが1回キューバに介入したわけです。ケネディの前の政権の時に用意されていた計画の実行をケネディが許したということであるのですけれど、キューバの政権転覆をケネディは失敗したわけです。

 それに対して、さらにキューバを完全にアメリカを脅かせるような基地にしてしまえばいいとフルシチョフは考えて、キューバに核ミサイルを配備するということを秘密裏に進めていたわけです。それが完成すれば、アメリカは完全にソ連から脅かされる状況になっているということを目指したのであろうといわれています。

―― ただ、それが結局は、挫折するということですね。

山添 途中で見つかってしまったので、アメリカが「これはどういうことだ」と公言することになって、フルシチョフも簡単には引けない状況になってしまいます。それで、ケネディもフルシチョフも、結論を急いではいけないということで、ケネディも軍の提案にあった空爆作戦はやめておいたわけです。海上封鎖という手段をとったわけですけれど、その間に、秘密のチャンネルでケネディとフルシチョフが意思疎通をすることによって、フルシチョフも、この条件だったらもうキューバからミサイルを撤去しますということにしたわけです。

 その条件は、アメリカがトルコに配備していたミサイルを撤去するということによって、実はソ連はその取引で利益を得たのです。ですが、それは当時秘密にされていた条件であったわけなので、フルシチョフは、表向きは“冒険をしかけたけれど負けちゃった”ということです。それが、2年後のフルシチョフを辞めさせるクーデターが起こった時に、フルシチョフがダメだと批判された1つの理由になっています。


●核兵器を増やして安定した地位を築いたソ連


―― そうすると、それ以降、ソ連のアメリカへの戦略は変わっていくわけですか。

山添 この危機ですが、1つ間違えばソ連も核兵器を使わないといけないという状況になって、アメリカから撃ち返されることになりかねないという危機があったわけです。ソ連はまだ当時アメリカを圧倒...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
三つの建国――その歴史的背景から迫るアメリカの原点
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦