平安時代の歴史~「貴族道」と現代
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三平時代から三道時代へ、「摂関政治」定着への大きな流れ
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(4)摂関政治と「三平・三道」時代
関幸彦(歴史学者/元日本大学文理学部史学科教授)
平安時代に摂関政治が成立すると、天皇の役割は象徴的なものへと変化していった。この時代、藤原北家によって摂政・関白制度が確立されると、政治権力の中心は藤原摂関家に移る。そして『大鏡』に描かれた、藤原時平をはじめとする「三平時代」から藤原道長に象徴させる「三道時代」への移行こそ、この時代の政治システムの大きな変遷、すなわち摂関政治の定着を明確に示している。この政治的変化は日本史における重要な転換点となり、現代に続く象徴天皇制の源流となったという見方もできる。(全9話中第4話)
時間:13分23秒
収録日:2023年10月20日
追加日:2024年1月26日
≪全文≫

●藤原北家によって作られた「摂関政治」のシステム


 それでは、10世紀というのは1つの政治的権力のエポックであることを考えたときに、ある種の請負ということがなされます。政(まつりごと)の請負、いわば政治、経済と、さまざまなことが請負としてなされるわけです。

 その請負のことを政治権力の中で、具体的に天皇の政治に代わって請負という形で対応する政治形態、これが「摂関政治」です。たぶん、摂関政治、摂関家とか、あるいは摂関家の代表が藤原道長であるとか、これらは常識的な形で皆さんは聞いたことがあると思います。

 道長の時代というのは王朝の時代で、「春はあけぼの」から始まる『枕草子』を暗記させられたと思います。また、「いづれの御時か」云々かんぬんや、「やむごとなき際にはあらねど…」などを暗記させられた『源氏物語』もあります。その時代こそが、いわば道長王朝の時代で、その王朝の時代が日本的なオリジナリティというものが生まれていく時代でもあるということになります。

 そして、その時代は摂関政治の全盛の時代としばしば言われます。では、その摂関政治というものはどのようにして生まれたのでしょうか。

 われわれは物事の本質を考えるときに、漢字の成り立ちと、その本来の意味から整理して入っていくと分かりやすいと思います。摂関の「摂」というのは、政を束ね、ふさねることです。そして「関」というのは預かり申すということをいいます。

 お店などで、よく「店主敬白」という言い方があります。「都合によってお休みします。店主敬白」などという言い方があり、「白」というのは「申す」です。ですから、いわば「関白」とは、「関」は預かるということですから、天皇の言葉を預かって臣下に申し伝えることです。この役割を「関白」というわけです。摂政は政を束ね、ふさね、執行していくことになります。

 似ているものですが、一般的に摂政の場合には、天皇が幼少のみぎり(頃)に、天皇に代わって政を代行していきます。これが摂政です。関白というのは、天皇は成人しているけれども、天皇の補佐役、政治相談役で、これが関白です。この摂政・関白両様が、藤原北家によってなされていくわけですが、この政治システムを摂関政治と呼びます。


●現在の象徴天皇制の源流が摂関体制にあった


 しかし、その摂関政治がどういう経緯、どういういきさつ...

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