政治学講座~選挙をどう見るべきか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
現在の自民一強と55年体制の自民党一党優位はどう違うか
政治学講座~選挙をどう見るべきか(7)自公連立と安倍一強
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日本は1996年以降、単独政権ではなく連立政権が続いている。第2次安倍内閣以降、「安倍一強」「自民一強」などという言葉もよく用いられたが、これは、55年体制の頃の自民党一党優位体制とは異なると曽根泰教氏はいう。では、現在の「自民一強」と、55年体制の「自民党一党優位体制」はどのように違うのか。そして「安倍一強」という言葉が使われたのは、なぜだったのか。(全9話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:6分36秒
収録日:2019年8月23日
追加日:2020年2月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●民主党の失敗の一因は衆議院を解散するタイミング


―― (前回までにお伝えしたような)問題が起きて、民主党は当時、菅総理の失言でねじれになって、最終的には政権を失うことになるわけです。

 そこで、民主党が勝った2009年の選挙の後になりますが、2012年に行われた選挙の時の票数を見ると、自民党が2500万票で、民主党が1300万票ということですね。そこから安倍内閣が現在まで続いています。

 その次の2014年の選挙になると、安倍晋三さんが率いる自民党が2500万票で、前回と同じぐらいの票数を取っています。一方、民主党は1190万票ですから、だいたい1200万票ぐらいの票数でした。この時の代表は海江田万里さんです。

 その次の選挙は2017年の選挙になりますが、この時は民主党が実質的に割れていくということになります。選挙の時には、枝野幸男さんが率いる立憲民主党と小池百合子さんが立ち上げた希望の党に分かれました。この時、小選挙区での得票数ですが、自民党は2650万票です。立憲民主党は470万票で、希望の党は1100万票でしたので、足しても1600万票です。こういう流れになっています。

曽根 民主党の敗北というか、失敗の要因としてはいくつかあります。それについて、シリーズ内で政権運営という話をしましたけれど、もう1つは選挙のタイミングですね。野田佳彦さんが3党合意の直後に解散に打って出ていたら、こんなボロ負けはしなかったと思います。

 似たような例として1つ挙げると、羽田孜さんが首相になった1993年の後で、その時は自社さ政権ができるわけですね。自社さ政権ができた時、内閣不信任案で倒れるわけです。あの時、選挙に打って出ればよかったのです。でも、しなかった。「今やると区割ができていないから、旧制度の選挙になってしまう」というためらいがおそらく若干あったのでしょう。だけどあの時も、選挙をやるべきでした。つまり、選挙をやるべきときにやっていないのです。野田さんの時もそうです。そうすると、そのチャンスがジリジリと少なくなっていくということです。

―― 退潮していくということですね。


●自民党は選挙戦略に成功し、野党は失敗してきた


曽根 もう1つ、この日本の選挙制度では、野党が統一的な候補を立てないと、自民党に勝...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
武闘派・秀吉として出世…織田家中で一番の武略者の道
黒田基樹
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(2)コンピュータの歴史
量子コンピュータの転機となった1990年代の発見とは何か
武田俊太郎
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥