政治学講座~選挙をどう見るべきか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
野党が政権を獲得するためには何をすべきなのか
政治学講座~選挙をどう見るべきか(8)野党の責任
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
2019年の参議院選挙では、野党は大きく票を落としてしまった。では、野党が支持を回復するためには、どのような施策が必要となるのだろうか。今回は政策という観点から、野党が政権を取るために何が必要となるかが解説される。(全9話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分23秒
収録日:2019年8月23日
追加日:2020年2月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●野党が支持を伸ばすためには何をすべきなのか


―― 直近の選挙ということになりますと、2019年の参議院選挙ということになります。この時の票数だけ見ておきますと、自民党が2000万票、立憲民主党が790万票、国民民主党が320万票取っているという形です。これで見ると、もちろんこれはかなり投票率の低い選挙だったので、単純な比較はできませんけれども、民主党系という言い方をすれば、2017年の衆議院選挙では民主党系で1600万票取れていたのが、2019年の参議院選挙では足して1100万票になっていたということですね。

曽根 だから、いつか底打ちさせなきゃいけないですね。これからV字回復だと。もし、ここが底だとしたら、V字回復して単独で1000万票、政権を取るには2000万票ぐらいまでどうやって持っていくのか、そこが重要になります。やり方は2つしかない。1つは、小選挙区で勝ち上がってくる人が非常に少ないので、この小選挙区で勝ち上がるための努力をすることです。

 それから今、選挙がとても難しくなっています。ネットを含めて、メディアを使ったり、キャンペーンをやったり、ということが難しくなっています。これも、例えば、れいわ新選組のように、200万票、300万票のレベルで人気を得るということであれば、できるのですが、これだと政権を獲得するということとは違います。やはり2000万票ぐらいをベースにしないと、政権は獲得できないのです。ではどうするのか。


●野党はしっかりとした政策を打ち出す必要がある


曽根 だから、小選挙区も比例代表も、そこに向けた戦略が重要になるということです。それには1つは、政策が基本的にきちっとしていて、選択肢として国民の腹に落ちる形のものをつくることです。特に経済政策、社会保障、外交、安全保障。それから、少子化になったり、地方が人口減になったりと、社会が変動していますので、そういう変動にどう対処するか。少なくとも、この4本ぐらいは腹に落ちる政策をつくらなければいけないですね。

―― おっしゃる通りです。

曽根 だけど、野党のマクロ経済政策が何かというと、そこがよく分からないのです。社会保障についても、消費税を上げないで社会保障を充実といっていますが、そちらへ行くんですかと思ってしまいます。日本の場合は中福祉低負担です。だから、今の中福祉を中負担で支えようという...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
井上正也
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(6)評価制度設計と「夢」の重要性
なぜ二本立ての評価制度が必要か…多種多様な人材の評価法
水野道訓
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
ケルト神話の基本を知る(1)ケルト地域と3つの神話群
ケルト神話とは…ダーナ神族、アルスター神話、フィアナ神話
鎌田東二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
東大ハチ公物語―人と犬の関係(1)上野英三郎博士とハチ
忠犬ハチ公で哲学する…人と犬の関係から見えてくる道徳論
一ノ瀬正樹