政治学講座~選挙をどう見るべきか
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
2000万票に着目すれば日本の選挙のダイナミズムが分かる
政治学講座~選挙をどう見るべきか(2)2000万票に注目
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
1993年に誕生した細川政権の政治改革によって、小選挙区と比例代表との並立制が導入された。それはどのような制度なのか。そして日本の選挙はどのように変わっていったのか。日本における投票行動の分析を踏まえ、選挙を見る際に着目すべきポイントとして2000万票という数字について解説される。(全9話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分29秒
収録日:2019年8月23日
追加日:2020年1月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●1993年における細川政権の誕生と政治改革


―― 55年体制が一連の政治改革等々で変わってくるのですが、節目になったのは1993年の選挙ですね。前回、先生は、野党が自民党の過半数割れをひたすら待ち続けるということと、自民党がいかに割れていくかという話をされていました。いよいよそういった局面になりました。

曽根 そうですね。93年の時にまさしく政治改革がありました。宮沢政権の時なのですが、政治改革がテーマになって選挙が行われました。ただ、この時はまだ中選挙区時代の選挙です。つまり、中選挙区制の中で政権交代が行われたのです。だから、今後も中選挙区制でも政権交代はあり得るのではという説があるのです。

 しかし、実はこの時、自民党の議席が過半数割れになっているのです。得票でいくと、それまで2000数百万票を取っていて、この時も2000万票は取っているわけです。比較第一党ではあるし、過半数ぎりぎりの議席は獲得しているのです。ですが、野党8党会派、つまり自民を除く8党の会派を合計すると、過半数の議席を握れるという状況でした。そこで小沢一郎さんが活躍して、細川護煕さんを担ぎ出したのがこの時なのですね。ですから、今度はまさしく、権力闘争の場が国会の中になったということです。

―― 自民党内から国会の中へと、権力闘争の場が移ったということですね。

曽根 だから、手法は自民党の総裁選で多数派工作をやるのと非常に似ていますが、この時は細川政権を誕生させることができました。つまり、政権交代となったわけです。


●小選挙区比例代表並立制の導入とその意味


曽根 そして細川政権の時に、選挙制度をそれまでの中選挙区制から小選挙区300と比例代表200を組み合わせた小選挙区比例代表並立制に変えるわけです。実際にその制度で選挙が行われたのは1996年からですが、そこに大きな大転換点がありました。

 これをいうと、政治改革を「たかが選挙制度改革に矮小化して」と言う人がいるんですが、それは違います。実は世界中を見ても、選挙制度に関わることは憲法改正とも関連していることが多いのです。つまり、憲法に選挙制度のことが具体的に書いてある国が多いわけです。だから、選挙制度を変えるには憲法改正をしなくてはいけないということです。

 ところが、日本の憲法は選挙に関して非常に大枠なことしか書か...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…大大名たちを魅了した秀長の器量とは?
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑