これからの日本には、トランプ氏のような予測不能なリーダーとも渡り合える本物の外交力が不可欠。防衛面では、実効性のある「反撃能力」の構築が急務とされている。特にサイバー攻撃への対応は喫緊の課題で、「能動的サイバー防御」を常識化すべきだと主張する島田氏。日本の強さを取り戻すためにも早期の課題克服へのメッセージとともに本講義を締めくくる。(全4話中第4話)
※緊急配信のため、講義テキストはございません。レジュメを掲載いたします。ご了承のほどなにとぞよろしくお願いいたします。
≪全文≫
●多元的な外交力の錬磨
ーhub and spoke型の日米外交からLattice型外交へ
・日本の外交はこれまで基本的に日米安保条約に基づく日米関係の枠組みに沿って行われてきており、諸々の外交判断は米国政府と相談し了承を得る形で遂行されたきた。
・このような外交関係は比喩的に、自転車の車輪に例えるなら、ワシントンを主軸のhubとし、日本や多くの同盟国が各々のspokeにつながっている形と言える。
・しかし、近年、アメリカと多くの同盟国のつながりは、アメリカと個々の同盟国の単線的な関係にとどまらず、複数の同盟国や同志国が多角的ならびに重層的につながる形に発展しつつある。
●強力な防衛力と継戦能力
ー日米安保基軸の広域展開
・高市首相は12月20日、自民党安全保障調査会:12月20日、安保関連3文書の改訂に向けた議論を開始した。これは自民党の岸田首相が22年12月に安保関連3文書の改定をしてからしばらくぶりの改定になるが、日本の安全保障体制が日米安保関係を基軸として機能するとの認識は不変だろう。
・そのうえで、日本の安全保障活動は、日米基軸関係を超えて、より広い範囲に及んでいることを認識する必要がある。
・G7はもとより、QUADでは米国の他に豪州、インド、アジアではインドネシア、フィリピン、また、近年は、英国、フランス、ドイツなど主要欧州諸国が太平洋海域で、日本の自衛隊との軍事演習を繰り返している。
ー反撃能力の中身は何か
・2022年12月の岸田政権による安保関連3文書の改定では、はじめて「反撃能力」という概念が使われた。日本は近隣国であるNKから度重なる最新鋭のミサイル攻撃の実験にさらされており、それがいつかもたらす致命的な危険を未然に防ぐ意味でも、NKの発射状況が判っている場合、ミサイルの発射基地を発射直前に直接攻撃する「敵基地攻撃」の言葉が安倍政権の時代には議論されたことがあった。
・ところが、公明党から「基地攻撃」の言葉は不適切と異論が出てが、その後は「反撃能力」に改められた。
・岸田政権の3文書改定では「反撃能力」の中身についても一定の記述があるが、それはせいぜい自衛隊が現在保有している短距離でやや低性能のミサイルを、もっと高性能の飛行距離1000kmに及ぶミサイルに取り替える、その準備期間には米国からトマホークを調達するといった程度の内容だった。
・ちなみに、中国では、沖縄の米軍嘉手納基地の実物大模型をゴ...