高市政権の進むべき道…可能性と課題
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高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
3.「強い経済」へ…ポイントは労働市場の流動化と新陳代謝
2026年2月27日配信予定
4.求められる「能動的サイバー防御」、問われる本物の外交力
2026年2月28日配信予定
高市政権の財政戦略には3つの大きな懸念がある。ポピュリズムの圧力により「年収の壁」引き上げなどで膨張する財政がその持続性を損なう可能性があることや、高市政権が掲げる国家主導の産業支援が過去の失敗例を見ても成功するとは限らないことなど、いずれもより慎重な議論が求められるが、そうした中、マーケットではすでに日本売りが起こり始めているという。どういうことなのか。日本の財政戦略の問題点について解説する。(全4話中第2話)

※緊急配信のため、講義テキストはございません。レジュメを掲載いたします。ご了承のほどなにとぞよろしくお願いいたします。
時間:12分18秒
収録日:2026年1月22日
追加日:2026年2月21日
≪全文≫

●財政戦略の問題点

ーポピュリズムの圧力
・自維与党は少数与党なので、主要政策の実現のためには野党の要求を受け入れることが要件になる。野党の主張には有権者の関心を買うためにエネルギーや食料品の減税、給付付き税額控除による一般勤労者の所得税額軽減と低所得者への給付などがあるが、そのために捻出する財源はポピュリズムによる財政膨張。
・その他、大型の案件としては国民民主党が主張する「年収の壁」の178万円までの引き上げは約8兆円の財政支出になり、維新の会が要求した高校無償化には6000億円ほどの財源が必要。以上を総計すると20兆円を超える財政支出の圧力になる。
ー技術開発は国家戦略で成功するか
・高市首相は11月4日の「所信表明演説」で「先端技術を開花させ強い経済成長をめざす」「官民連携で日本経済の潜在力を解き放つ」と述べ「日本成長戦略本部」を創設した。
・戦略本部ではAI(人工知能)・半導体、造船、量子、合成生物学・バイオ、航空・宇宙、など17の戦略分野を指定した。
・戦略予算については複数年度にわたって運用する方式、会計制度については設備投資にかかる費用の大半もしくは全額を初年度に減価償却費として一括計上する即時償却などを想定。
・華々しい道具立てだが、これが本当に成功するかは疑問。これまで日本政府が支援したイノベーション戦略については多くの失敗例があり、それらの経験から緻密に学んで日本型の弱点を克服する必要がある。多額の国費を投入して成功しなければそれでなくとも持続性が危ぶまれる日本の財政に大きな負担をかけることになる。
ー責任ある積極財政は貫徹するか
・高市首相は「責任ある積極財政」について、政府が企業支援などに積極的に財政支出をすると投資が成功して利益が生まれ、勤労者の所得が高まって、消費者の支出が増えるという好循環が生まれると説明しているが、このような好循環が生まれるかどうかは全く保証がない。
・高市首相は、政府がこれまで単年度で設定してきたPB黒字化目標は取り下げ、中期にわたって戦略的に考えるとしているが、エコノミストの多くは「単年度ごとの黒字化目標は財政規律の考えを多くの人々が共有するためにも重要」としている。
・高市首相はさらにGDPに対する政府債務の比率でなく財政バランスは「純債務」で測定する方が良いとも主張している。政府は多額の借金を抱える一方、多くの資産も保有...

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