高市政権の進むべき道…可能性と課題
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
高市政権の財政戦略には3つの大きな懸念がある。ポピュリズムの圧力により「年収の壁」引き上げなどで膨張する財政がその持続性を損なう可能性があることや、高市政権が掲げる国家主導の産業支援が過去の失敗例を見ても成功するとは限らないことなど、いずれもより慎重な議論が求められるが、そうした中、マーケットではすでに日本売りが起こり始めているという。どういうことなのか。日本の財政戦略の問題点について解説する。(全4話中第2話)

※緊急配信のため、講義テキストはございません。レジュメを掲載いたします。ご了承のほどなにとぞよろしくお願いいたします。
時間:12分18秒
収録日:2026年1月22日
追加日:2026年2月21日
≪全文≫

●財政戦略の問題点

ーポピュリズムの圧力
・自維与党は少数与党なので、主要政策の実現のためには野党の要求を受け入れることが要件になる。野党の主張には有権者の関心を買うためにエネルギーや食料品の減税、給付付き税額控除による一般勤労者の所得税額軽減と低所得者への給付などがあるが、そのために捻出する財源はポピュリズムによる財政膨張。
・その他、大型の案件としては国民民主党が主張する「年収の壁」の178万円までの引き上げは約8兆円の財政支出になり、維新の会が要求した高校無償化には6000億円ほどの財源が必要。以上を総計すると20兆円を超える財政支出の圧力になる。
ー技術開発は国家戦略で成功するか
・高市首相は11月4日の「所信表明演説」で「先端技術を開花させ強い経済成長をめざす」「官民連携で日本経済の潜在力を解き放つ」と述べ「日本成長戦略本部」を創設した。
・戦略本部ではAI(人工知能)・半導体、造船、量子、合成生物学・バイオ、航空・宇宙、など17の戦略分野を指定した。
・戦略予算については複数年度にわたって運用する方式、会計制度については設備投資にかかる費用の大半もしくは全額を初年度に減価償却費として一括計上する即時償却などを想定。
・華々しい道具立てだが、これが本当に成功するかは疑問。これまで日本政府が支援したイノベーション戦略については多くの失敗例があり、それらの経験から緻密に学んで日本型の弱点を克服する必要がある。多額の国費を投入して成功しなければそれでなくとも持続性が危ぶまれる日本の財政に大きな負担をかけることになる。
ー責任ある積極財政は貫徹するか
・高市首相は「責任ある積極財政」について、政府が企業支援などに積極的に財政支出をすると投資が成功して利益が生まれ、勤労者の所得が高まって、消費者の支出が増えるという好循環が生まれると説明しているが、このような好循環が生まれるかどうかは全く保証がない。
・高市首相は、政府がこれまで単年度で設定してきたPB黒字化目標は取り下げ、中期にわたって戦略的に考えるとしているが、エコノミストの多くは「単年度ごとの黒字化目標は財政規律の考えを多くの人々が共有するためにも重要」としている。
・高市首相はさらにGDPに対する政府債務の比率でなく財政バランスは「純債務」で測定する方が良いとも主張している。政府は多額の借金を抱える一方、多くの資産も保有...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
三つの建国――その歴史的背景から迫るアメリカの原点
中西輝政
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(7)AI時代にどう備えるか
認知症患者がAIと一緒に懐メロを歌う…AI活用の可能性ある分野
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(2)ビジョンにまつわる課題
世の中で一番知られていない「ビジョンの真実」とは何か
佐宗邦威
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
1分チャージ! 新・エクササイズ理論
たった1分で効果を上げる新運動理論と攻めのダイエット
堀江重郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊