昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
玉砕したアッツ島の絵を毎朝拝んでいた樋口季一郎…司令官の苦しみ
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(2)司令官の決断と苦悩
アッツ島の悲劇を繰り返さぬよう、樋口季一郎が下した決断はあまりに異例だった。軍旗同然の小銃を海へ捨ててでも、キスカ島から5,000名以上の将兵を救い出す。この「奇跡の撤退」の裏には、人命を最優先する揺るぎない信念と、米軍の心理を読み切る卓越した洞察力があった。だが、それは同時に、アッツ島の人命を犠牲にして、キスカ島の人命を救う決断でもあった。戦後、彼が欠かさなかった習慣から、「司令官の苦しみやつらさ」が伝わってくる。名将の知られざる真実に迫る。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:7分59秒
収録日:2019年7月30日
追加日:2026年5月22日
≪全文≫

●歩兵銃を海中投棄してよし…成功のためにすべてを集中させる


―― 米軍はむしろ撤退したことをまったく気づかずに、上陸作戦を敢行したと。

早坂 もう無人島になっているキスカ島に何千発という砲弾を撃ち込んでいたのですね。撃ち込んだあとに上陸して、見たら、日本兵が一人もいない。日本兵が飼っていた犬が何匹かいたらしくて、「私たちはこの犬に何千発も砲弾を撃ったのか」という話があったりします。

門田 よく当たらなかったよね。

早坂 あと、日本文学者でドナルド・キーンさん、あの方がキスカ島の戦いに通訳として従軍していたのですね。キスカ島に上がったら、――日本兵がいたずらでやったともいわれているのですけれど――小屋があって、そこにペストの患者収容所のような看板を掛けておいたのです。それをキーンさんが訳したら、米兵がパニックになったという、そんな逸話もあります。これは一つの、本当に奇跡のような日本軍の成功例です。

 だから、樋口季一郎としては2600人のアッツ島の兵士たちは確かに救うことができなかった。けれど、キスカ島5200人の兵士の命を救うことができた。というのがキスカ(島)の戦いの概要ということになると思います。

門田 だから、命だけを救うのだということで、陛下から下賜された小銃、これを海中投棄してよしと。

早坂 そうです。三八式の歩兵銃を、持っていると船に乗るのが遅れるわけです。だから、それはもう捨てていいと樋口は指示したと。これも後日、だいぶ怒られたらしいのですけれど。

―― 普通に考えると、ふざけんなと。

早坂 ええ。これはあり得ない話なのです。

門田 これを海中投棄せよという命令は、なかなか出せませんから。それをちゃんと出していますからね。

早坂 そうそうできる決断ではないと思いますね。

―― その目的を明確にした場合、どうすればそれが実現するか。あらゆる障害を排して、そこに集中させるということですね。

早坂 そういう意味では、オトポール事件に通ずる樋口の人間性は、そういったところから垣間見られるのじゃないですか。その道義的な部分、しっかりと正確に判断していくという部分が非常に強かったのじゃないですかね。


●戦後もずっと樋口の心の中には常にアッツ島があった


―― プランナーというか、物事を動かしていく能力としてはそういうこともあります。もう一方で、当...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
明智光秀は「主殺しの悪人」か?…諸説入り乱れる人物像の謎
小和田哲男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
ソフトな歴史学のすすめ(1)グローバル・ヒストリーと民俗学
グローバル・ヒストリーの中で日本の歴史を俯瞰する意味
上野誠
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜

人気の講義ランキングTOP10
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(1)精神分析の概念とその起源
なぜ心の病にかかるのか?ラカンの精神分析とその起源
斎藤環
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
50代からの親の介護~その課題と準備(1)突然やってくる介護の問題
「親の介護」の問題…優しさだけでは続かない
太田差惠子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
編集部ラジオ2026(18)4種の「利き脳タイプ」分析
【10min解説】最終話に注目!4種の「利き脳タイプ」分析
テンミニッツ・アカデミー編集部
地政学入門 歴史と理論編(6)「リムランド」のせめぎ合い
日独がユーラシアを席巻!? リムランドをめぐる米国との攻防
小原雅博
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎