イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導
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総合評価は?トランプ大統領の戦略リーダーシップ徹底分析
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(2)戦略リーダーシップの8次元分析
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
対イラン戦争において、トランプ大統領はどのような戦略リーダーシップを発揮したのか。高度な技術的作戦で戦術的勝利を収める一方、コスト認識の甘さや戦後ビジョンの欠如、議会軽視など、指導者としての致命的な欠陥も浮き彫りになっている。今回は、前回評価したトランプ大統領の米軍式戦略リーダーシップについて、8つの次元から徹底分析する。(全3話中第2話)
時間:12分06秒
収録日:2026年3月16日
追加日:2026年4月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●戦略リーダーシップ分析1・2:「環境理解」「コスト重大性の認識」


 ここで本格的に戦略リーダーシップの分析に入っていきます。

 まず「環境理解」ですが、どのような戦略環境に置かれているか、これから見ていきます。

 これは先ほど言いましたように基準以下であり、2025年以降のイランの脆弱性は正しく理解していました。しかし、そこで「連鎖的多線域効果」、つまり波及効果ですね。この波及効果を過小評価して、ドバイ空港の攻撃とか、その地域、(例えば)アラブ諸国に対するイランの攻撃、そしてホルムズ海峡の封鎖、こういった波及効果を全然、トランプ大統領本人は認識してなかったということなのです。

 あとは、差し迫った脅威としてインテリジェンスの根拠が結構不明確であると。特にどういった経緯で開戦に踏み切ったのか、政権側の発信する情報では分かれているのです。むしろネタニヤフ・イスラエル首相の脅迫というべき行為に屈して、ネタニヤフ首相を止めるために開戦に踏み切ったというのが真相に近いといわれていますが、そもそも政権側が発信する情報がいろいろとバラバラなのです。

 ここで総合的に評価しますと、複合適応システムを時間をかけて再編すべき体系としてではなく、単なる目標リストとして扱ったのです。結構その場しのぎの状況認識がトランプ大統領の特徴であり、これはリーダーとして基準以下になります。

 次に「コスト重大性の認識」です。戦争を行うにあたって、どのようなコストを想定していたか。これは著しく基準以下です。イラン指導部の殺害を「光栄」と発言しています。アイゼンハワー大統領と比べると、耐え難い良心の重荷という基準と正反対なのです。

 そもそも死者が1444人超、負傷1万8500人(超)で、空中給油(機)が喪失しており、クウェートでも米軍の死者が多発しています。この死者はイラン側の死者の数なのですが、かなりイラン側でも犠牲が出ているということなのです。

 肯定的側面が1つあり、ハルク島という石油のターミナルが集結する島があるのですけれど、そこに攻撃をした時に「礼節のため」とトランプ大統領は表現したのですが、石油ターミナルが攻撃を免れたと(いうことです)。これはどちらかというと、石油経済を残すためにやったわけ...

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