独裁の世界史~ソ連編
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ロシア革命を共和政的に行うことは可能だったのか
独裁の世界史~ソ連編(2)レーニンのリーダーシップ
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
革命は社会正義実現のために行われるが、その達成には幾多の困難が伴う。ロシア革命の場合は、「世界同時革命か、一国社会主義か」が岐路となったが、そうした中、レーニンはリーダーとしてあり方をどう考えていたのか。また、ロシア革命を独裁的ではなく、共和政的に行うことは可能だったのか。当時の状況を踏まえて考えていく。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分00秒
収録日:2020年1月30日
追加日:2021年2月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●革命の指導者レーニンと、二つの革命思想


本村 レーニンを一口に「独裁」と言ってしまっていいかどうかは分かりません。けれども、革命運動の渦中、いろいろな人が主導権を握ろう、自分の意見を通そうと戦う中で淘汰が起きるので、どうしても独裁者にならざるを得ない。少なくともそう振る舞わないと自分もやられてしまう局面だった。そういう意味での独裁権力を、ボリシェヴィキのリーダーとして確立していったと思います。

―― そのあたりは、以前にお話をうかがったフランス革命のときのジャコバン派のロベスピエールたちが独裁に向かう流れと、軌を一にするところがあるということでしょうか。

本村 そうですね。レーニンの場合は反対派を粛清する形は取らなかったけれども、追放など、いろいろな形で排除していきます。彼は最初、スターリンを非常に信頼しています。スターリンもレーニンに対してかなり信奉しているところがありました。また、レーニンはトロツキーも非常に信頼していました。

 そうした革命運動の中、結局ロシアは革命を起こしたけれども、周りの国々はそういう事態に至っていない。けれども、一つの国では結局つぶされてしまいかねないというので、周りの国を巻き込んだ「世界同時革命」という動きが出てきます。それが、最終的にはトロツキーが取った戦略です。

 スターリンのほうは、どちらかというと、とにかく一国でそれを充実していかなければいけないという、今の「民族社会主義」の思想を鮮明に持ってきます。

 レーニンはどちらにも偏らなかったのですが、どこかで少し一国社会主義的なものに対する懸念を持っているところがありました。だから、彼は最終的にトロツキーを退けないで、むしろ「スターリンを議長の座から下ろせ」と遺言なども残したと言われます。


●レーニンはフランス革命にリーダーシップを学んだのか


―― (スターリンについては)けっこう乱暴だということを懸念していたという話もありますね。

本村 そうですね。それから、もともと一国社会主義的なものを持っていたからでもあると思うのですが、はっきりトロツキー路線だったかどうかはまだ分かりません。レーニンが亡くなった後、路線がはっきり対立してきて、トロツキーが追放され、やがて殺されてしまうという流れになるわけです。

 レーニンという人は、革命の大変な主導権争いの中で、...

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