独裁の世界史~フランス革命編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
フランス革命のモデルは古代ローマにあった
独裁の世界史~フランス革命編(4)古代ローマがお手本
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
全ての枠組みを変えようとしたフランス革命にも、お手本はあった。恐怖政治のロベスピエールはカエサルの真似をした節があるし、「コンスル」など、共和政から帝政への移行を象徴する名前を積極的に用いている。だが、最も大きいのは人権思想が、ローマ市民権を踏まえたものだったのではないかということである。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分11秒
収録日:2020年1月10日
追加日:2020年10月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●ロベスピエールはカエサルの真似をしようとした


本村 フランス革命の場合にも、急進派が出てきました。ロベスピエールという人は、古代ローマ時代にカエサルがやったことをやろうとしたのだろうと思います。

 ただ、カエサルは反対派を処刑したり、そういうことはあまりしていません。カエサルの場合、敵対勢力であってもある程度自分に従順な意思を示しさえすれば許すということを、比較的何度も行っています。そのあたりの賢さが違うというか、ロベスピエールの場合は若くて血気にはやったのかもしれないし、時代の状況が違っていたからということもあるでしょう。

―― 確かにフランスの場合は、戦時下というか、対外的な関係でいうと完全に孤立して劣勢に置かれた状況ではありますね。

本村 ええ。カエサルの場合も、対外的な外国勢力が入ってくる云々ではないものの、共和主義者との戦いはまだ続いていきます。彼の敵対勢力への態度としては、カトー(小カトー)という一番の共和主義者への例を見るといいでしょう。カトー(小カトー)は戦いの中で亡くなってしまうのですが、カエサルはそれを非常に悔やみます。何らかの形でカトー(小カトー)を捕まえて、「一線を退く」ということさえ言ってくれれば、カエサルへの恭順を示さなくても、許すつもりでいたのです。むしろ彼にとっては、それが理想だったと言われます。

 ところがフランス革命の場合は、反対勢力を処刑にしたりしてしまう。しかも、反対する勢力全てに「反革命」のレッテルさえ貼れば、それで処刑できるとしました。そこまで行ってしまったのは、いったいなぜだったのでしょうか。


●フランス革命のモデルとなったのは共和政から帝政期への移行期のローマ


―― ジャコバン派の仲間同士でも、最後は殺し合いになっていくわけですね。

本村 ええ。そこで感じるのは、カエサルが始終言っていた「クレメンティア(慈愛)」であり、“ゆるす”という感覚です。それは、ローマ人全体にそういうところがありました。

―― まさに慈しむ愛ですね。

本村 ええ。そのあたりが、共和政から帝政期への移行の時期のローマと、フランス革命との大きな違いではないかと思うのです。

 だけど、彼らにとっては、その時期のローマがやはりモデルになりました。だから、フランス革命ではいろいろな役職をつくり、「コンスル」などのローマ時代の名...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(1)厚木飛行場に降り立った占領者
敗戦した日本の武装解除はなぜ無血だったか…その背景とは
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦