独裁の世界史~フランス革命編
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ルイ16世が亡命しなければ世界史は大きく変わっていた!?
独裁の世界史~フランス革命編(2)ルイ16世と徳川慶喜の違い
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
フランス革命の流れを変えた瞬間の一つに、ルイ16世の「ヴァレンヌ逃亡事件」がある。革命の急進化に不安を抱いた国王一家は、これで民衆を敵に回してしまうのだ。この行為は「大政奉還」をした徳川慶喜が大坂城を後にしたのと、どう違うのだろうか。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分10秒
収録日:2020年1月10日
追加日:2020年9月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●優柔不断が命取りになった、善良なルイ16世


―― 本講の「独裁政」というキーワードでフランス革命を見た場合、非常に興味深いことがあります。当初は革命的雰囲気というよりも増税に対する反感があり、むしろ特権階級がそれを持ち出しておきながら、すぐに崩れていった。当初は穏健な立憲君主制を目指す勢力もあれば、急進的な勢力もあった。にもかかわらず、革命はジャコバン派に牛耳られ、やがてロベスピエールの独裁により、粛清がどんどん続く形になっていく。なぜ、そんなことになってしまったのかが、お聞きしたいことの一つです。

 フランス革命の流れを簡単に整理すると、三部会の停滞に抗議して第三身分による国民議会が1789年6月につくられる。同年7月14日にバスティーユ監獄の襲撃があり、国民議会がさらに革命気運を盛り上げるなか、国王一家がオーストリアに亡命しようとします(ヴァレンヌ逃亡事件)。これで、国王を支持していた人々の間に「なんだ、俺たちを見捨てるのか」と不満が高まったと言います。このあたりの流れについて、先生はどのようにお感じになりますか。

本村 ルイ16世という人は、人間としては非常に善良な人で、悪意を持っていろいろなことをやっていたわけではないのです。また、時代の流れとして、啓蒙思想も教養の一種ですから、それが民衆より先に王侯貴族たちのほうに到達し吸収されていたことも、忘れてはいけないでしょう。

 そうして穏健な形での「立憲君主政」という思想が最初に出てきて、それが下層の人たちにも広がっていく形を取ったのだと思います。人間として非常に善良だったルイ16世は、そういう考えや貴族・民衆の意見を、ある程度取り入れようとしていました。

 彼の悪いところは、優柔不断な性格です。人の意見に左右されやすいところがあったため、誰かが何か言うと「ああ、それはいいアイデアだ」と言い、別の誰かが違うことを言うと「それもいいアイデアだ」と言って、結局自分で何かを決めることができなくなっていました。

 最終的には彼も、立憲君主政のほうに移行していかなければいけないという動きは了解していたはずです。ところが、実際にその立場に置かれ、だんだん革命が進行していくにつれ過激派も出てくる、といったのっぴきならない状況になった時、その優柔不断な性格が災いしたのではないでしょうか。

 実際、マリー・アントワネット...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(7)英雄と武器と喪失と家族
英雄たちの「特別な武器」と「喪失」…悲劇かハッピーエンドか、そのメッセージの秘密
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(32)鎌田東二先生の法華経講義解説-1
【10min名作探訪】鎌田東二先生の『法華経』講義の核心ビジョン
テンミニッツ・アカデミー編集部
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(2)機械学習と大規模言語モデル
常識を初めて知った!?生成AIの大規模言語モデルとは
岡野原大輔
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎