独裁の世界史~フランス革命編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
フランス革命とその後の影響…革命の独裁をどう見るか
独裁の世界史~フランス革命編(7)「国民国家」の誕生
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
フランス革命史を振り返ると、絶対王政を振り出しに、ロベスピエールの革命政府、ナポレオンの帝政と形を変えながら、「民主」の動きが「独裁」へ移行したのが分かる。それは収縮・拡張を繰り返す心臓の拍動のように必然的なものなのだろうか。(全7話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分33秒
収録日:2020年1月10日
追加日:2020年10月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●フランス革命が残した「国民国家」の動き


―― 前回お話がありましたが、フランス革命は革命を輸出したようなかたちになります。その後のロシア革命は共産主義を輸出しました。確かにフランス革命では、先生がおっしゃったように「自由・平等・博愛」が世界的な価値になるというプラス面があったのと同時に、周りの国からすると多少迷惑な面もあったのではないでしょうか。

 革命思想の輸出もあれば、戦争に巻き込まれていくケースもあったはずです。また、それにより社会保障などが進んでいったということもあるかもしれません。こうした革命の輸出の迷惑さというところは、歴史的にやむを得ないところなのでしょうか。

本村 革命の輸出という見方もありますが、結局フランスが後の時代に大きな形で残したのは、「国民国家」という考え方です。これがやはり他の国々にも伝播されていったのではないかと思います。

―― 国民国家というものはどのように解釈すればよろしいでしょうか。

本村 自分たち固有の同じ言語を持ったり、同じ宗教を持ったり、同じ伝統を持ったりする人々が、そういう民族として一国の国民を形づくるのだという理念です。抽象的な人権思想よりも、もっと具体的にそういう動きが生まれているのではないでしょうか。

 特に典型的なのはドイツでしょう。彼らはフランスに侵略されることで、「ドイツ人」として自分たちのまとまりを生んでいきました。ロシアにもそういうところがあります。

 ナポレオンは革命理念を広めようとしたのだろうけれども、結果的にはフランスにおいて初めて国民国家的な「フランス人」という意識が生まれてきたのだといわれています。その思想が、ドイツやロシア、あるいはイギリスなどにも生まれてくる。そのほうが、歴史的にはむしろ大きな意味を持ったのではないかと思います。


●民主政が独裁政を生む必然的なプロセス


―― ある意味ではステージが変わるというか、ギアチェンジになるというか、その前と後ろでまったく世界観が変わってくるというところですね。

本村 そうですね。言語が典型的で、それ以前はフランスでさえまちまちでした。われわれは「同時代のフランス人」としてくくってしまいますが、南部の人と北部の人では同じフランス語でも全く通じないということもあった。日本だってそうで、昔にさかのぼれば方言の違いが大きかった。

...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高